チャートが読めるようになる!為替チャートの基本的な見方を分かりやすく解説!

FXのトレードを行うにあたって、欠かせないのが、チャートです。投資をしたことがないという方でも、チャートがどのようなものなのかは、何となくイメージできるかもしれませんが、FXにおいては、チャートなくして、トレードはできないと断言できるほど、重要なツールです。

FXで勝つためには、チャートを駆使して、売買のポイントや将来の値動きを予測することが必要になりますが、チャートを用いた相場分析を行うには、当然、チャートの基本的な見方が分かっていなければなりません。

ということで、ここでは、これからFXを始めるという初心者の方向けに、チャートの基礎知識や基本的な見方について、分かりやすく解説していきますので、しっかりマスターしておいてください。

チャートとは

チャートとは、過去の値動きの記録をグラフ化したものです。チャートを見れば、これまで、どのように価格が推移してきたのかが分かります。

チャート

チャートは相場分析に欠かせない超重要ツール

どんなに優れた投資家でも、現在の為替レートを知っただけでは、買い時なのか売り時なのか、ましてや今後の相場の動向を判断することはできません。そんなときに活躍してくれるのが、チャートです。

チャートは、単なる過去の値動きの記録ではなく、売買のタイミングや今後の値動きを予測するための相場の分析ツールとしての役割を担っています。

なお、FXの分析手法は、大きく、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析という2種類に分けられます。

テクニカル分析とは、チャートを用いた分析手法のことで、ファンダメンタルズ分析とは、各国の経済状況等から相場を分析する手法のことです。

テクニカル分析とファンダメンタルズ分析は、FXにおける相場分析の両輪を担うもので、チャートを読み解くことは、FXのトレードにおいて、非常に重要です。

テクニカル分析を行うにあたっては、チャートが読めなければ、お話になりませんので、まずは、このページにまとめてあるチャートの基本的な見方について、しっかりマスターしておいてください。

チャートは投資家の行動パターンの記録

チャートは、過去の値動きを記録したものですが、為替レートを動かしているのは、投資家です。

為替レートは、市場の需要と供給によって決まりますので、買われるほど、為替レートは上がりますし、売られるほど、為替レートは下がります。言い換えると、為替レートが上昇しているということは、多くの投資家が買った結果であり、為替レートが下落しているということは、多くの投資家が売った結果ということになります。

つまり、チャートは、投資家の過去の行動パターンを記録したものであり、その行動パターンを体系化して、今後の値動きを予測するのが、チャートを用いた分析手法と言うことができます。

チャートには投資家の集団心理が表れる

チャートには、投資家の過去の行動パターンが記録されている他、投資家の集団心理が表れています。

例えば、チャートが上昇していれば、買いたいと考えている投資家が多いことを意味していますし、下落していれば、売りたいと考えている投資家が多いことを意味しています。また、ある水準で、値が、頭打ちになっていれば、その水準で、売りたいと考えている投資家が多いことを意味していますし、下支えされていれば、その水準で、買いたいと考えている投資家が多いことを意味しています。

チャートは、このような投資家の集団心理を反映したものであり、それを読み取ることも、チャートを読み解く上で、大切になってきます。

チャートの種類

チャートには、ローソク足チャートバーチャートラインチャートという3種類があります。

チャートの種類
  • ローソク足チャート
  • バーチャート
  • ラインチャート

この内、最もポピュラーなのが、ローソク足チャート。欧米においては、バーチャートやラインチャートが使われることもありますが、日本においては、ローソク足チャート以外は、ほぼ使われることはありません。

ここでは、参考までに、バーチャートとラインチャートについても、ご紹介しますが、ローソク足チャートさえ理解しておけば、困ることはありません。逆に言うと、ローソク足チャートの見方は、非常に大切ですので、必ず押さえておきましょう。

ローソク足チャート

ローソク足チャート

ローソク足チャートは、一定期間における値動きを表すローソク足から構成されたチャートです。

ローソク足については、後ほど、詳しく解説しますが、始値、終値、高値、安値の四本値全てが記録されていて、かつ、視覚的にも見やすいという特徴があります。

バーチャート

バーチャート

バーチャートは、値動きをバーで表したチャートです。

ローソク足に比べると、シンプルな見た目ですが、チャートを構成する1本1本のバーには、ローソク足と同様に、四本値が記録されています。バーの左側の水平線が、始値、右側の水平線が、終値、上端が高値、下端が安値です。なお、欧米では、終値が重要視されることから、始値を除く、終値、高値、安値を記録した三本値のバーが用いられることもあります。

ラインチャート

ラインチャート

ラインチャートは、値動きを線で表しただけのシンプルなチャートです。

一定期間における終値を結ぶことで描かれていて、ローソク足チャートやバーチャートのように始値や高値、安値は記録されません。

チャートの基本的な見方

ここからは、チャートの基本的な見方について、解説します。チャートを使った相場分析において、基礎となる部分ですので、しっかりと理解しておいてください。

チャートの縦軸は価格を横軸は時間を表す

縦軸は価格、横軸は時間を表しています。

チャートの上方向に行くほど、高値、下方向に行くほど、安値であることを示しています。また、チャートの左から右に向かうに従って、時間軸が進んで行きます。

ローソク足が進む方向から相場局面を読み取る

チャートの縦軸が価格、横軸が時間を表しているということは、ローソク足が進む方向によって、価格が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのか等が読み取れます。

ローソク足が、チャート右上の方向に進んでいれば、為替レートは、上昇傾向にあることが分かりますし、チャート右下の方向に進んでいれば、為替レートは、下落傾向にあることが分かります。また、一定幅を上下動しながら、横ばいの状態で推移している場合は、方向感なく漂っていることを意味します。

このように、ローソク足が、右上の方向に進んでいる、つまり、上昇傾向にある状態のことを上昇トレンド、ローソク足が、右下の方向に進んでいて、下落傾向にある状態のことを下降トレンドといい、横ばいに推移している状態のことをレンジ相場といいます。

相場局面には、このトレンド相場とレンジ相場のいずれかしかなく、相場が、どの局面にあるかによって、取るべき戦略が変わってきます。チャートから、これらの相場局面のどれに該当するのかを見極めることが大切です。

ローソク足の見方

チャートと切っても切れない関係にあるのが、チャートを構成するローソク足で、ローソク足は、一定期間における値動きを表したものです。

ローソク足には、四本値と呼ばれる始値、終値、高値、安値の4種類の価格が記録されていて、ローソク足を見れば、この4種類の価格が分かるようになっています。

陽線と陰線における四本値

また、ローソク足の色にも意味があって、ローソク足の色から、価格が上昇しているのか、下落しているのかが分かります。価格が上昇している場合、ローソク足は、赤や白で描かれるのが、一般的で、これを陽線と言います。反対に、価格が下落している場合、ローソク足は、青や黒で描かれるのが一般的で、これを陰線と言います。

なお、ローソク足は、その時々の値動きによって、形状を変えますが、チャートと同じように、ローソク足の形状にも投資家の心理が表れ、相場分析のヒントとなるような情報が隠されていることがあります。

ローソク足についての詳細な解説やローソク足の形状を用いた相場分析手法については、以下の記事にまとめていますので、参考にしてみてください。

複数の時間軸のチャートから相場を捉える

チャートは、時間軸を変えて表示させることができます。

ローソク足は、一定期間における値動きを表したものですが、例えば、1日の値動きを1本のローソク足で表すこともできますし、1時間の値動きを1本のローソク足で表すこともできます。

相場には、長期的な流れや短期的な流れが存在していて、長い時間軸のチャートほど、長期的な分析に向いていて、短い時間軸のチャートほど、短期的な分析に向いています。

長い時間軸のチャートばかり見ていては、短期的な流れは分かりませんし、短い時間軸のチャートばかり見ていては、長期的な流れは分かりません。

どの時間軸のチャートが良いということではなく、異なる時間軸のチャートを使い分ける必要があります。

以下の左側のチャートは、5分足チャートで、右側のチャートは、1時間足チャートです。そして、左側の5分足チャートに表示されている期間は、右側の1時間足チャートのオレンジの枠で囲んだ部分に該当します。

5分足チャートを見る限り、相場は、上昇傾向にあるように思えますが、1時間足チャートを見てみると、相場は、明らかに下落傾向で、5分足チャートの期間は、一時的な上昇であることが分かります。

異なる時間軸で表示したチャート(5分足)
異なる時間軸で表示したチャート(1時間足)

このように、チャートの時間軸を変えることで、全く異なる風景が見えてくるというのは、決して、珍しいことではありません。

時間軸を変えるだけで、これまで見えなかったものまで見えてきますので、様々な時間軸のチャートを用いて、相場を分析することが大切です。

チャートには線やテクニカル指標を表示できる

チャートは、ただ見るだけのものではありません。チャート上には、任意の線を引くことができたり、テクニカル指標と呼ばれる相場分析のための指標を表示することができます。

トレンドラインとテクニカル指標を表示したチャート

なぜ線を引いたり、テクニカル指標を表示させるかというと、これによって、これまで見えてこなかった相場の節目やトレンド、売買のポイントといった重要な項目が見えてくるからです。

トレンドラインやホリゾンタルラインと呼ばれるチャート上に引く線や数々のテクニカル指標は、テクニカル分析に欠かせないものです。

なお、チャート上に引く線については、以下の記事を参考にしてください。

また、テクニカル指標については、以下の記事にまとめています。テクニカル分析に欠かせないものですので、確実に使えるようにしておきましょう。

チャートのまとめ

チャートは、過去の値動きの記録をグラフ化したものですが、単なる記録ではなく、相場分析を行うための超重要ツールです。

チャートを用いた分析手法であるテクニカル分析は、売買のポイントや将来の値動きの予測を行うのに有効で、テクニカル分析なくして、FXで勝つことはできません。

テクニカル分析を自分のものにできれば、様々なことをチャートから読み解くことができますので、チャートの基本的な読み方については、テクニカル分析の第一歩として、必ずマスターしておいてください。