グランビルの法則でエントリーポイントが分かる!移動平均線を活用した実践的売買手法

グランビルの法則とは

ローソク足と移動平均線を用いたテクニカル分析法にグランビルの法則というものがあります。

グランビルの法則は、アメリカの投資分析家であるジョセフ・E・グランビルによって、1960年代に考案された分析法で、8つの法則から構成されています。

どの法則も、ローソク足と移動平均線の位置関係によって、売買のタイミングを判断しようとするもので、移動平均線から読み取れる売買シグナルをまとめたものになっています。

ローソク足も、移動平均線も、テクニカル分析の基本中の基本とも言えるものですし、シンプルでありながら、実践的な手法ですので、しっかりと押さえておきましょう。

なお、グランビルの法則は、株価と200日移動平均線から導き出されたものですが、FXの世界でも同様に活用でき、移動平均線も、200日に限定する必要はありません。株でもFXでも、また、どの期間の移動平均線でも、グランビルの法則は当てはまります。

移動平均線の基礎知識

グランビルの法則の主役とも言えるのが、移動平均線です。移動平均線は、過去の一定期間の終値の平均値を結んだ線で、相場のトレンドを把握するのに効果的なツールですが、それだけでなく、時に、マーケットにおける重要な節目となり、トレンドラインのようにサポートラインやレジスタンスラインとして機能することがあります。

グランビルの法則は、主に、その移動平均線のサポートラインやレジスタンスラインとしての特性を活用した売買手法です。

なお、移動平均線については、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

グランビルの法則の売買シグナル

グランビルの法則では、ローソク足と移動平均線の動きから読み取れる4つの買いシグナルと4つの売りシグナルがまとめられています。

グランビルの法則

この図は、グランビルの法則における8つの売買シグナルを表しています。黒い実線がローソク足の動き、緑の点線が移動平均線の動きです。また、赤い丸は、4つの買いシグナルのポイント、青い丸は、4つの売りシグナルのポイントを示しています。

グランビルの法則の買いシグナル

買いシグナル①
移動平均線が、下向きから横ばいまたは上向きに転じる局面で、ローソク足が移動平均線を下から上に突き抜ける
買いシグナル②
移動平均線が、上向いている局面で、ローソク足が移動平均線を下から上に突き抜ける
買いシグナル③
ローソク足が、上向いている移動平均線の上にある局面で、移動平均線付近まで下落したものの、移動平均線を突き抜けることなく、再び上昇する
買いシグナル④
ローソク足が、下向いている移動平均線から大きく乖離して下落

買いシグナル①は、下降トレンドから上昇トレンドに転換するところを狙うものです。下降トレンドが落ち着き、下向きの移動平均線が、横ばいや上向きになったことを確認した上で、ローソク足がその移動平均線を下から上に突き抜けるところを順張りでエントリーします。

つまり、ローソク足と移動平均線のゴールデンクロスが、このシグナルです。新たなトレンドの発生を示す強い買いのシグナルとなります。

また、買いシグナル②と③は、上昇トレンドの調整局面を狙う押し目買いのシグナルで、トレンドフォローのセオリーとも言えるエントリーポイントになります。

買いシグナル④は、下降トレンドにおける売られ過ぎからの反発を逆張りで狙うポイントとなりますが、この局面では、下降トレンドに入っており、上昇したとしても、相場の行き過ぎが生んだ短期的な調整局面ですので、ここでの逆張りはリスクを伴うということは、理解しておいた方が良いでしょう。

グランビルの法則の売りシグナル

売りシグナル①
移動平均線が、上向きから横ばいまたは下向きに転じる局面で、ローソク足が移動平均線を上から下に突き抜ける
売りシグナル②
移動平均線が、下向いている局面で、ローソク足が移動平均線を上から下に突き抜ける
売りシグナル③
ローソク足が、下向いている移動平均線の下にある局面で、移動平均線付近まで上昇したものの、移動平均線を突き抜けることなく、再び下落する
売りシグナル④
ローソク足が、上向いている移動平均線から大きく乖離して上昇

売りシグナル①から④は、買いシグナル①から④と反対のパターンになります。

売りシグナル①は、ローソク足と移動平均線のデッドクロスを確認した上で、上昇トレンドから下降トレンドに転換するところを狙うポイントです。

売りシグナル②と③は、下降トレンドにおける調整局面を戻り売りのシグナル。

売りポイント④は、上昇トレンドにおける買われ過ぎを逆張りの売りで狙うものですが、買いシグナル④と同様、ハイリスクという点には、注意が必要です。

グランビルの法則のまとめ

グランビルの法則は、本来、株式投資における売買手法として考案されたものですが、FXにおいても、有効かつ重要な考え方になります。

最もポピュラーなテクニカル指標である移動平均線を使った売買手法で、考え方もシンプルなため、FX初心者の方でも、取り入れやすいものになっています。事実、グランビルの法則が有効な場面は非常に多いので、必ず頭に入れておきましょう。