テクニカル指標とは|基本の解説とおすすめテクニカル指標の紹介

テクニカル指標とは

テクニカル指標とは、理論や計算式をもとに求められたテクニカル分析のためのツールです。

テクニカル指標をチャート上に表示することで、相場の節目やトレンド、売買のポイント等を視覚的に分析できるようになります。

テクニカル指標を表示したチャート

トレンド系とオシレーター系

テクニカル指標には、様々な種類がありますが、トレンド系オシレーター系という2種類に大別されます。

これらのテクニカル指標は、それぞれ異なる特徴を持っていて、トレンド系のテクニカル指標が、相場のトレンドを分析することに長けている一方で、オシレーター系のテクニカル指標は、相場の過熱感を分析することに長けています。

  • トレンド系…相場のトレンドを分析する
  • オシレーター系…相場の過熱感を分析する

トレンド系のテクニカル指標

トレンド系のテクニカル指標は、相場のトレンドを分析するのに適していて、相場が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのかといったトレンドの方向性を読み解く際に用いられます。

上昇トレンドと判断された場合は、買い、下降トレンドと判断された場合は、売りといったように、順張りのトレードに用いられるのが一般的です。

主要なトレンド系のテクニカル指標

オシレーター系のテクニカル指標

一方のオシレーター系のテクニカル指標は、買われ過ぎ、売られ過ぎといった相場の過熱感を分析する際に用いられます。

買われ過ぎと判断された場合は、売られることが近いと考えられるため、売り、売られ過ぎと判断された場合は、買われることが近いと考えられるため、買いのように、逆張りのトレードに用いられることが多いです。

主要なオシレーター系のテクニカル指標

初心者が押さえるべきおすすめのテクニカル指標

一口にテクニカル指標と言っても、その数は様々です。まずは、代表的なテクニカル指標の見方と使い方について、押さえておきましょう。

以下に挙げるテクニカル指標は、テクニカル分析においては、欠かすことのできない基本的なものですが、あらゆる場面で活躍してくれますので、必ずマスターするようにしてください。

初心者におすすめのテクニカル指標
  • 移動平均線
  • RSI
  • ボリンジャーバンド

移動平均線

トレンド系の代表的なテクニカル指標である移動平均線は、過去の一定期間の終値の平均値を結んだ線で、相場のトレンドを教えてくれます。

移動平均線

基本的な使い方としては、移動平均線が、上を向いていたら、上昇トレンド、下を向いていたら、下降トレンドと判断します。また、トレンドの把握だけでなく、ローソク足との位置関係や期間の異なる複数の移動平均線を組み合わせて使うことによって、売買シグナルとしても、活用することができます。

移動平均線の詳細な見方と使い方については、以下の記事で、解説しています。基本中の基本とも言えるテクニカル指標ですので、必ず使いこなせるようにしておきましょう。

RSI

RSIは、オシレーター系のテクニカル指標で、一定期間における価格の変動幅に対する上昇幅の割合を表しています。

RSI

RSIの値が、50%を上回っていれば、買い勢力の方が強く、50%を下回っていれば、売り勢力の方が強いことを示しています。基本的には、70%を上回っていれば、買われ過ぎと判断され、売りシグナル、30%を下回っていれば、売られ過ぎと判断され、買いシグナルとなります。

ボリンジャーバンド

トレンド系のテクニカル指標であるボリンジャーバンドは、標準偏差と正規分布の考え方を取り入れた指標で、移動平均線と移動平均線を中心として上下に引かれた線によって構成されます。

ボリンジャーバンド

このチャートでは、中央の移動平均線のひとつ外側の上下に引かれた線が、移動平均線を基準とした標準偏差である±1σの線、その外側の線が、±2σの線、更にその外側の線が、±3σの線となっています。

代表的な使い方としては、レンジ相場において、ローソク足が、+2σ付近まで上昇すると、逆張りの売りシグナル、-2σ付近まで下落すると、逆張りの買いシグナルとして、活用することができます。

複数種類のテクニカル指標を組み合わせる

チャートには、複数のテクニカル指標を同時に表示させることができます。

テクニカル分析では、複数のテクニカル指標を組み合わせて使うことが、非常に重要です。

テクニカル分析において、売買シグナルとは異なる値動きをすることを「だまし」といいますが、ひとつのテクニカル指標だけを使っていると、どうしても、だましの数が多くなってしまいます。

この対策として、重要になるのが、複数のテクニカル指標の併用です。

相場分析の際、ひとつのテクニカル指標だけを使って、売買のポイントを探るのではなく、複数のテクニカル指標を根拠に売買のポイントを探るようにすれば、だましの数を減らすことができます。

複数のテクニカル指標を組み合わせて使うことで、より精度の高いテクニカル分析が可能になりますので、まずは、このページで解説した基本となるテクニカル指標の使い方を理解して、これらを組み合わせて使ってみてください。

まとめ

  • テクニカル指標は、テクニカル分析の精度を高めるためのチャート上に表示させる分析ツール
  • テクニカル指標は、トレンド系とオシレーター系の2種類に大別される
  • トレンド系のテクニカル指標は、相場のトレンド分析に用いられる
  • オシレーター系のテクニカル指標は、相場の過熱感の分析に用いられる
  • テクニカル指標は、組み合わせて使うことで、だましを減らし、分析の精度を高められる

テクニカル指標は、テクニカル分析に欠かせないツールです。基本的なテクニカル指標については、必ず、使いこなせるようになっておきましょう。

なお、テクニカル分析においては、テクニカル指標とともに、トレンドラインとホリゾンタルラインについても、使いこなせなければなりません。また、ローソク足の分析も、基本となります。これらについては、以下の記事で、詳しく解説していますので、しっかりと理解しておいてください。