トレードでは順張りと逆張りを使い分ける!それぞれの特徴とエントリーのタイミング

FXのエントリーのタイミングには、順張りと逆張りの2種類があります。この順張りと逆張りは、相場の値動きに対して、どのように売買を行うかを表したもので、相場の値動きに沿った売買を行う取引手法を順張り、相場の値動きに逆らった売買を行う取引手法を逆張りと言います。

ここでは、順張りと逆張りの特徴やメリット、デメリット、それぞれのエントリーのタイミングについて、解説しています。

順張りと逆張りを使い分けることができれば、あらゆる場面で利益を狙えるようになりますので、しっかり押さえておいてください。

このページの要点
  • 順張りは、トレンドに沿った売買を行いトレンドに乗る取引手法
  • 逆張りは、トレンドに逆らった売買を行いトレンドの転換点を狙う取引手法
  • FX初心者は、ローリスクな順張りから始めるのがおすすめ

順張りとはトレンドに沿って取引を行うこと

順張りは、トレンドに沿った取引のことを指します。

例えば、相場が、上昇局面にある場合には、買いでエントリー、下降局面にある場合には、売りでエントリーして、トレンドについて行きます。これが、順張りのトレードです。

順張りのメリット

順張りのメリットとしては、ローリスクであるという点が挙げられます。

順張りは、トレンドについて行く取引手法ですので、理論上、トレンドが続く限りは、損失を被ることはありません。上昇トレンドの最中であれば、買いでエントリーすることで、トレンドが終わるまでは利益が乗るはずですし、どこでエントリーして、どこで決済しても利益を得られることになります。もちろん、下降トレンドの場合も同様です。売りでトレンドについて行くことさえできれば、利益を出すことができるはずです。

為替相場におけるトレンドは、一度発生すると、しばらくは継続し、ひとつの方向に値が動き続けるという特性を持っています。トレンドは、そう簡単には、引っくり返らないのです。

順張りでトレンドに乗ることができれば、トレンドが進むにつれて、利益は大きくなりますし、トレンドが終わらない限りは、大きな損失を出してしまうことは少ないので、比較的、リスクの低い取引手法と言えます。

順張りのデメリット

順張りのトレードを行う際に注意すべきなのが、トレンドの終盤でのエントリーです。

順張りを行う際、エントリーのタイミングが遅れて、トレンドの終わりに差し掛かった頃にエントリーをしてしまうと、トレンドの天井で買ってしまったり、底で売ってしまったりということになりかねません。いわゆる高値掴みや安値掴みというやつです。こうなってしまうと、利益が出ないどころか、トレンドが転換してしまって、反対に、大きな損失を被ってしまうことになってしまいます。

順張りは、確かにリスクの低いトレード法ですが、いくらリスクが低いといっても、エントリーのタイミングを誤ってしまえば、大きな損失の危険性があるということは、頭に入れておいてください。

順張りにおけるエントリーのタイミング

トレンドの真っただ中にある場合は、順張りでついて行くことで、利益を上げることが可能ですが、そのトレンドがいつ終わるかは、誰にも分かりません。仮に、トレンドの終わりにエントリーしてしまえば、取引が失敗に終わる危険性が高くなります。

リスクが低い順張りであっても、エントリーのタイミングを見極める必要があるのです。高値掴み、安値掴みのリスクを下げるため、順張りにおいては、以下のポイントを探って、エントリーしてみましょう。

押し目と戻り

絶好の順張りのエントリーポイントが、押し目戻りです。押し目とは、上昇トレンドにおける一時的な下落のこと戻りとは、下降トレンドにおける一時的な上昇のことを指します。

どんなに強いトレンドも常に同じ方向に値が動いている訳ではありません。実際にチャートを見てみるとよく分かると思いますが、ところどころトレンドとは反対の方向に小さく値が動いている場所があると思います。このような部分は、相場に調整が入っているところなのですが、これを押し目、戻りと言います。

上昇トレンドにおける押し目

このチャートは、上昇トレンドを切り取ったものですが、ローソク足が上下動をしながら、右肩上がりに推移しています。上昇しながらも、一時的に下落しているところが、押し目です。

下降トレンドにおける戻り

下落トレンドでも同様に、ローソク足が一時的に上昇する部分が見られます。これが、戻り。

押し目買いと戻り売りが順張りのセオリー

既に発生しているトレンドに順張りでついて行く場合は、この押し目と戻りを狙うことで、相場の調整に巻き込まれるリスクを減らすことができます。つまりは、損失を被ることが少なくなるということ。

押し目で買うことを押し目買い、戻りで売ることを戻り売りと言いますが、この押し目買いと戻り売りは、順張りでトレンドに乗る際の定石ですので、しっかり頭に叩き込んでおきましょう。

ブレイクアウト

もうひとつの順張りポイントが、ブレイクアウトの瞬間です。

ローソク足が、サポートラインやレジスタンスラインを抜けることをブレイクアウトと言いますが、重要なポイントをブレイクすると、ひとつの方向に値が大きく動いて、新しいトレンドが発生することがあります。ここで、ブレイクアウトした方向に順張りでついて行けば、新たなトレンドに乗ることができます。

ブレイクアウトのポイントとして、最も分かりやすいのが、レンジからのブレイクアウトです。相場が、レンジを形成すると、ローソク足は、一定期間、同じ値幅を上下動することになりますが、このレンジ相場が崩れて、ローソク足が上下のどちらかに抜けた瞬間が、順張りのチャンスです。レンジを抜けた方向に順張りでついて行くことで、その後の値動きについて行くことができます。

レンジブレイク

例えば、このチャートの場面では、レンジを上に抜けた後、そのまま大きく動いています。この場合は、レンジの上限を上にブレイクアウトした瞬間が、順張りのタイミングです。こうすることで、その後の上昇にうまく乗ることができます。

逆張りとはトレンドに逆らって取引を行うこと

一方の逆張りは、トレンドに逆らった取引のこと

つまり、相場が、上昇局面にある場合には、売りでエントリーして、下降局面にある場合には、買いでエントリーします。簡単に言うと、安くなったところで買う、高くなったところで売るというのが、逆張りのトレードになります。

しかし、単純に、トレンドとは反対の方向にエントリーしても、利益は出るはずがありません。ただただ損失が膨らむだけですよね。逆張りでは、ただトレンドに逆らった取引をするのではなく、トレンドの転換点を狙って、これまでのトレンドとは反対の方向にエントリーすることが必要です。

トレンドの転換点を狙ってエントリーすることで、値動きの反発を利益に変えてしまおうというのが、逆張りトレードの狙いになります。

逆張りのメリット

逆張りは、相場の転換点を狙った取引になるため、うまく行けば、相場の底で買うことができたり、天井で売ることができ、利益の幅を最大化できます。これが、逆張りのメリットです。

順張りは、既に発生しているトレンドにうまく乗ることを目的とする取引手法ですが、逆張りの場合は、新たなトレンドの発生を事前に見込んで、トレンドの頭から値動きについて行こうとする取引手法といったイメージです。

従って、うまくエントリーできれば、順張りに比べ、大きな利益を得ることができることになります。

逆張りのデメリット

順張りより大きな利益を狙えるのであれば、逆張りの方が優れた取引手法のように思えますが、逆張りは、順張りに比べ、ハイリスクな取引手法です。この点は、逆張りのデメリットと言えます。

逆張りは、トレンドの転換点を狙った取引手法のため、エントリーのタイミングが非常にシビアです。もし、トレンドの真っただ中にトレンドに逆らって取引を行ってしまえば、大きな損失を抱えてしまうことになります。

先ほども触れた通り、トレンドは、一旦発生すると、一定期間継続する特性を持っていますので、誤ったタイミングで逆張りを入れてしまうと、含み損は広がる一方で、手を付けられなくなってしまいます。

順張りは、トレンドが発生してさえいれば、そのトレンドについて行くことで利益を上げることができますが、逆張りの場合は、ピンポイントでトレンドの転換点を探り当てる必要があるため、順張りに比べ、難しい取引手法なのです。

逆張りにおけるエントリーのタイミング

逆張りが有効なポイントとしては、以下の2つが考えられます。

トレンドの転換点

まずは、これまでも触れてきたトレンドの転換点です。トレンドの転換点を見極めることができれば、最高の逆張りポイントとなります。

ただ、トレンドの転換点を分析するのは、FX初心者には、かなりハードルの高いものとなります。トレンドの転換点を探ること自体も難しいですが、失敗した際には、大きな損失を被る危険性がありますので、損切りだけは、徹底するようにしましょう。

レンジの天井と底

逆張りの中でも、FX初心者の方が、比較的容易に実践できるものが、レンジの天井と底を狙ったトレードです。

レンジ相場では、ローソク足が、一定の幅を上下しながら推移します。

レンジにおける逆張り

ということは、レンジの上限付近で逆張りの売りを仕掛けて、下限付近で決済する、または、下限付近で逆張りの買いを仕掛けて、上限付近で決済することができれば、利益を出すことができます。

レンジ相場の逆張りトレードは、エントリーのポイントが分かりやすく、また、レンジが続く限り、同じ取引を繰り返すことで、利益を得ることができますので、初心者の方でも、実践しやすい取引手法です。

初心者にはローリスクな順張りがおすすめ

順張りと逆張りは、どちらが良くて、どちらが悪いということはありません。状況に応じて使い分けることで、より効率的に稼ぐことができます。

ただ、ここまで解説してきた通り、逆張りは、慣れるまでは、ハードルが高い取引手法です。トレンドの転換点を探り当てるというのは、玄人にとっても、なかなか難しいものなのです。

よく言われることですが、FXにおけるトレードの王道は、トレンドフォロー。つまり、順張りです。FX初心者の方ほど、順張りに狙いを絞って取引をしてみることをおすすめします。

順張りであれば、トレンドに沿ってさえいれば、利益を上げることができるため、比較的容易ですし、損失が出るリスクも、逆張りほど高くありません。エントリーのタイミングが多少ずれてしまっても、トレンドが進むにつれて、利益は大きくなっていくはずですので、高値掴みや安値掴みさえしなければ、問題なし。

まずは、順張りのトレードに注力して、順張りに慣れてきたら、逆張りに挑戦してみると良いと思います。

順張りと逆張りのまとめ

順張りは、トレンドに沿ってトレンドに乗る取引、逆張りは、トレンドに逆らってトレンドの転換点を狙う取引です。どちらも、有効な取引手法ですが、順張りは、ローリスクローリターン、逆張りは、ハイリスクハイリターンの取引と言うことができます。

順張り
トレンドに沿って取引を行うこと
逆張り
トレンドに逆らって取引を行うこと

トレードにおいて、大切なのは、順張りと逆張りをうまく使い分けることです。順張りをすべきタイミングで逆張りをしたり、逆張りをすべきタイミングで順張りをしていては、勝つことはできませんし、損失を出してしまう一方になります。

相場の状況を読み取り、的確な取引を行うことが、何より大事なのです。

ただ、FX初心者の方が、いきなり順張りも逆張りもというのは難しいので、まずは、よりローリスクな順張りに狙いを絞って、トレードに臨むのが良いと思います。順張りをマスターしたら、次は、逆張りです。

順張りと逆張りを使いこなして、うまく稼げるようになりましょう。