
MT4(MetaTrader4/メタトレーダー4)のチャートを見て、日本時間が表示されていないことに戸惑ってしまった方も少なくないと思います。
残念ながら、MT4は、標準の設定では、日本時間表示に対応していないため、海外の時間が表示されてしまいます。しかし、日本時間を表示することができないかというと、そういうことでもありません。MT4でも、日本時間を表示させることができます。
ということで、このページでは、MT4で日本時間を表示する方法について、解説していきます。
MT4でチャート上に日本時間を表示する方法
MT4に日本時間を表示する方法としては、以下の2通りの方法が考えられます。
- インジケーターを利用する
- 日本時間が表示されるFX会社を使う
インジケーターを利用する
MT4では、インジケーターを使うことで、日本時間を表示させることができます。
日本時間を表示させるためのインジケーターは、いくつかありますが、ここでは、その代表格である「JPN_Time_SubZero」を使って、日本時間を表示する方法について、解説していきます。
インジケーターを使ってMT4に日本時間を表示するための手順
インジケーターを適用して、日本時間を表示する手順は、以下のとおりです。
- インジケーターをダウンロードする
- インジケーターをインストールする
- インジケーターを適用する
- パラメーターを設定する
インジケーターをダウンロードする
まずは、インジケーターをダウンロードしましょう。
「JPN_Time_SubZero」は、こちらのサイトからダウンロードできます。
ダウンロードする場所は、自分のPC内であれば、どこでも構いません。
インジケーターをインストールする
インジケーターのダウンロードが完了したら、ダウンロードしたインジケーターをMT4にインストールします。
インジケーターをダウンロードしてMT4にインストールする方法については、以下の記事で詳しく解説しています。これらの方法が分からないという方は、以下の記事を参考に進めてみてください。
インジケーターを適用する
インジケーターをMT4にインストールしたら、チャートにインジケーターを適用して、日本時間を表示させます。
インジケーターのインストールが、うまく完了できていれば、MT4のナビゲーションウィンドウの「インディケータ」の項目の中に、インストールした「JPN_Time_SubZero」というインジケーターが表示されているはずです。
これをチャート上にドラッグ&ドロップして、次のステップに進みましょう。
パラメーターを設定する
「JPN_Time_SubZero」をチャート上に表示させようとすると、以下のパラメーターの設定画面が表示されるはずです。
パラメーターの各項目は、以下を意味しています。
TimeInterval | 時刻を表示するローソク足の間隔 |
---|---|
UseLocalPCTime | 時刻をPCの時刻に合わせて表示(「true」=する、「false」=しない」) |
Time_difference | 表示する時刻の調整 |
Grid | グリッドの表示設定(「true」=表示、「false」=非表示) |
YEAR | 年の表示設定(「true」=表示、「false」=非表示) |
MONTH | 月の表示設定(「true」=表示、「false」=非表示) |
DAY | 日の表示設定(「true」=表示、「false」=非表示) |
HOUR | 時間の表示設定(「true」=表示、「false」=非表示) |
Zero_H | 時間の2桁表示(「true」=する、「false」=しない) |
MINUTE | 分の表示設定(「true」=表示、「false」=非表示) |
SECOND | 秒の表示設定(「true」=表示、「false」=非表示) |
ARROW | 表示時刻上部の矢印表示(「true」=する、「false」=しない) |
NewLine | 日付と時刻の改行(「true」=する、「false」=しない) |
GridColor | グリッドの色の設定 |
FontSize | 表示時刻のフォントサイズの設定 |
TextColor | 表示時刻の文字の色の設定 |
UseColorGrid | 特定時刻のグリッドの色の設定 |
Use12Hour | 12時間表示の設定(「true」=12時間表示、「false」=24時間表示) |
この内、必ず変更が必要な項目が、「Time_difference」です。この項目で、MT4の標準時と「JPN_Time_SubZero」で表示する時刻の時差の設定を行います。
デフォルト値は、日本の標準時であるGMT+9より、「9」が設定されていますが、アメリカの夏時間が適用されている期間(3月第2日曜日から11月第1日曜日まで)は、「6」を、それ以外の冬時間が適用されている期間は、「7」を入力してください。
- 夏時間…6
- 冬時間…7
また、「TextColor」にも要注意。この項目は、日本時間を表示するための文字の色ですが、デフォルトは、白になっています。チャートの背景を白にしている場合、デフォルトのままだと、チャート背景と文字の色が同化して消えてしまいますので、チャート背景の色によって、黒等の見やすい色に変更しましょう。
その他の項目については、基本的には、初期設定のままで問題ありません。日付や分の表示が必要であれば、「YEAR」、「DAY」、「MINUTE」の項目を変更する等、カスタマイズしてみましょう。
これらのパラメーターの設定が完了したら、「OK」を選択。これで、「JPN_Time_SubZero」の設定が、すべて完了しました。チャートを見てみると、以下のように、日本時間が表示されているはずです。
インジケーターを使ってMT4で日本時間を表示する際の注意点
インジケーターを使うことで、MT4にも、このように日本時間を表示させることができるのですが、以下の点には、注意しておきましょう。
夏時間への対応が必要
まずは、夏時間への対応が必要な点。アメリカでは、夏時間(サマータイム)が導入されていて、3月第2日曜日から11月第1日曜日までの期間は、標準時が1時間進められます。
このため、「JPN_Time_SubZero」を使って、日本時間への対応をする場合、先にも触れた通り、アメリカの夏時間適用期間と冬時間適用期間では、パラメーターの設定を変更する必要があります(「Time_difference」の項目を夏時間では、「6」、冬時間では、「7」を設定)。
大した手間ではありませんが、ここの対応を忘れると、1時間のずれが生じるので、要注意です。
サブウィンドウに表示される
もうひとつが、日本時間がサブウィンドウに表示される点です。インジケーターを使うことで、確かに、チャートに日本時間を表示することができますが、MT4にあらかじめ表示されている時間が変更されるのではなく、サブウィンドウに日本時間が、追加されて表示されます。
サブウィンドウが表示されると、その分、メインウィンドウが小さくなってしまいますので、多少の使いにくさが出て来てしまいます。サブウィンドウに表示されるテクニカル指標も多く、それに加えて、日本時間表示でサブウィンドウが増えるとなると、メインウィンドウは、更に小さくなってしまいます。
特に、複数のチャートを並べて表示させる場合は、チャートの表示が小さくなりなり過ぎてしまう可能性があるので、注意が必要かもしれません。
FX会社によってはインジケーターが標準装備されている
MT4で取引が可能なFX会社の中には、日本時間を表示するためのインジケーターをMT4に標準装備しているところがあります。このようなFX会社を使えば、自分でインジケーターをインストールする必要はありません。
例えば、FXTFでMT4口座を開設すると、「FXTF – JapanTime」という独自のインジケーターが、MT4にあらかじめインストールされています。
機能としては、このページで触れている「JPN_Time_SubZero」と同じようなものですが、インジケーターを導入する手間は、省くことができます。
日本時間が表示されるFX会社を使う
ここまでは、インジケーターを使って、日本時間を表示させる方法について、解説してきましたが、もっと手っ取り早くMT4に日本時間を表示する方法もあります。
その方法というのが、標準で日本時間が表示されるFX会社を使うことです。
そもそも、MT4に、どこの国や地域の時間を表示させるかは、FX会社次第です。FX会社によっては、あらかじめ日本時間を表示させているところもあります。
標準で日本時間表示に対応しているFX会社を使えば、インジケーターをインストールして、設定する手間も省けますし、サブウィンドウに表示されることもなくなります。
各FX会社におけるMT4の日本時間対応状況
FX会社 | 日本時間表示 |
---|---|
FXTF | × |
OANDA Japan | × |
外為ファイネスト | × |
FOREX.com | ○ |
FOREX EXCHANGE | × |
楽天証券 | × |
現在、日本時間表示に対応しているFX会社としては、FOREX.comが挙げられます。
以前は、MT4で取引が可能なFX会社の多くが、日本時間表示に対応していたのですが、現在では、MT4標準のタイムゾーンに合わせるのが、主流になっています。
日本時間が表示されるFX会社を使う際の注意点
日本時間が表示されるFX会社を使う際には、注意が必要な点もあります。それが、1週間における日足の本数。
標準で、MT4に日本時間を表示しているFX会社では、1週間にできる日足の本数が、通常の5本ではなく、6本になってしまうのです。
MT4対応の多くのFX会社が、日本時間表示に対応していないのは、ここに原因があります。1週間の日足が、6本できてしまうことを嫌って、わざと日本時間ではなく、MT4標準の時間を表示させているのです。
1週間の日足が、6本になると、テクニカル分析に影響が出ます。日足が、5本と6本とでは、テクニカル指標の反応の仕方が違ってくるため、敬遠するトレーダーが多いのも、事実です。
MT4が、日本時間表示に対応しているFX会社を使う際は、必ず、この点を頭に入れておいてください。
まとめ
- MT4標準の設定では、日本時間表示に対応していない
- インジケーターを使うことで、日本時間の表示が可能
- FX会社によっては、標準で日本時間表示に対応しているところもある
- 日本時間表示のFX会社は、1週間の日足本数が6本になるデメリットがある
MT4標準のタイムゾーンは、GMT+2(夏時間は、GMT+3)となっていて、基本的には、日本時間は表示されないようになっています。
MT4に日本時間を表示する方法としては、インジケーターで対応する方法とMT4の日本時間表示に対応しているFX会社を使う方法の2通りが考えられますので、MT4に日本時間を表示したいという場合は、いずれかの方法で対応すると良いでしょう。
ただ、インジケーターで対応すると、多少の手間はかかりますし、チャートのサブウィンドウを使って日本時間を表示するため、若干ではありますが、チャートが見にくくなってしまうというデメリットがあります。一方、日本時間表示に対応したFX会社を使う場合は、1週間の日足が6本になってしまうことから、いずれの方法を取った場合も、何らかの犠牲を払う必要は出てきます。
これらのデメリットを考えると、日本時間表示は諦めて、MT4標準の時間表示に慣れるのもひとつの手です。
夏時間が適用されている期間は、MT4標準の時間に6を足せば、日本時間になりますし、冬時間が適用されている期間は、MT4標準の時間に7を足せば、日本時間になります。
日本時間表示に対して、強いこだわりがないのであれば、MT4標準の表示時間に慣れるのも、賢い選択だと思います。