
個人投資家にとって、ポピュラーな金融商品となったFXですが、FXで副収入を得ているサラリーマンも多くいます。
事実、FXは、サラリーマンの投資に適した特徴を持っていて、サラリーマン向きの投資と言っても過言ではありません。
そこで、このページでは、FXを始めてみたい、投資に興味があるというサラリーマンの方向けに、サラリーマンが行う投資としてのFXについて、考えていきます。
サラリーマンのためのFXの始め方やおすすめの投資法、注意点等について、解説していますので、参考にしてみてください。
FXはサラリーマン向きの投資
FXは、サラリーマン向きの投資と言えます。その特徴から、本業の他に副収入を得たいという方や投資に興味があるというサラリーマンの方におすすめです。
- 小遣いで始められる
- 少ない資金で大きな利益を狙える
- 24時間取引できる
小遣いで始められる
FXには、少額で始められるという特徴があります。
投資と聞くと、まとまった資金が必要というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、FXの場合、4,000円程度の少額から取引を行うことが可能です。
わざわざ投資資金を用意しなくても、小遣い程度の金額で始めることができるというのは、サラリーマンにとって、大きなメリットと言えます。
少ない資金で大きな利益を狙える
FXには、口座に預けている証拠金の最大25倍の大きさの取引ができるレバレッジという仕組みがあります。
そのため、少額でも、大きな利益を狙うことができます。
通常の取引であれば、大きな利益を狙うためには、それだけ大きな資金が必要になりますが、FXでは、その必要はありません。お小遣いでも、大きなリターンを期待することができます。
24時間取引できる
FXでは、24時間取引を行うことができます。
FXの取引の舞台となる外国為替市場は、土日を除き、24時間オープンしていますので、昼間はもちろん、夜間でも取引を行うことができます。
更に、日本時間の夜は、ヨーロッパやアメリカの市場参加者が参入し、外国為替市場が最も盛り上がる時間帯です。そのため、FXは、昼間は忙しいサラリーマンの方でも、稼ぎやすいという特徴があります。
ちなみに、投資の代表格である株式投資の場合、取引ができるのは、午前中が平日の9時00分から11時30分(前場)まで、午後が12時30分から15時00分(後場)までと限られています。株式投資と比べると、FXは、非常に取引しやすい環境にあると言えます。
サラリーマンがFXをする際の注意点
FXは、サラリーマン向きの投資ではありますが、注意しておくべき点もあります。
- 損失もあり得る
- 本業に支障を来たさないようにする
損失もあり得る
FXでは、利益だけでなく、損失を出してしまう可能性があります。
FXは、元本保証のない金融商品ですので、当然のことではありますが、常に勝てる訳ではないということは、しっかり頭に入れておきましょう。
一銭も損をしたくないというのであれば、投資ではなく、地道に貯金をして資産を増やしていくしかありません。
大きなリターンを望むのであれば、リスクを負う必要があります。過度なリスクを負うのは、良くありませんが、投資を始めようと思ったら、身の丈に合ったリスクを負いながら、リターンを求めるという考え方が必要です。
本業に支障を来たさないようにする
サラリーマンが副業としてFXをする際に気をつけておかなければならないのが、本業に支障を来たさないようにするということ。
仕事中にトレードをするのは、言語道断ですが、そこまでではなくても、夜間の取引に熱中しすぎてしまい、寝不足になったり、相場が気になって仕事に集中できなかったりということも考えられます。
本業に悪影響を及ぼしていては、大きな問題です。本業に支障のないよう、うまく両立するよう心がけましょう。
FXは副業になるか
サラリーマンがFXをする際に、はっきりしておかなければならないのが、FXは副業になるのかという点。
働き方改革の一環で、大企業を中心に、副業を解禁している企業も増えてはきていますが、まだまだ副業を禁止している企業も多いです。
この点について、基本的には、FXは、副業にはあたらないものと考えられます。
FXは、あくまでも、金融商品のひとつであり、投資です。
就業規則等で、FXを禁止しているのであれば、就業規則違反となってしまいますが、副業を禁止しているだけであれば、サラリーマンでも、問題なく、FXを行うことができます。
FXによる副収入が会社にばれないための方法
就業先において、FXが禁止されていなかったとしても、FXでの副収入やFXをしていることについては、あまり会社に知られたくないものです。
FXについて、会社にばれないようにするには、確定申告書の記載方法に気を付ける必要があります。
そもそも、副収入が会社にばれる原因の大半は、住民税の税額通知書によるものです。
市町村から企業に送られる各従業員の住民税の税額通知書には、各従業員の税額の他に、本業における給与所得やそれ以外の所得が記載されているため、勤務先の事務担当者が、給与以外の所得の欄を見れば、副収入があるかどうか、分かってしまうことになります。
これを避けるためには、FXで得た利益について、確定申告をする際に、その利益に対する住民税を会社から天引きして納付するのではなく、自分で納付するように選択する必要があります。こうすれば、税額通知書のその他の所得欄に副収入が記載されることはなくなるため、FXの利益が、会社に知られることもなくなります。
FXを会社に知られないための詳しい方法については、以下の記事で解説しています。FXが副業にあたるのかについても、より詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
サラリーマンのFXの始め方
ここからは、サラリーマンの方がFXを始める際に、守るべき点について、解説します。
大きな失敗をしないためにも、必ず、以下の点を頭に入れておいてください。
- 投資は余裕資金で行う
- 資金に見合った取引をする
投資は余裕資金で行う
まず、徹底すべきなのは、投資をする際には、余裕資金を使うことです。
余裕資金とは、生活に必要な資金以外のお金のこと。FXに限らず、投資全般に言えることですが、投資資金として、生活資金を使ってしまうと、日常生活に支障を来たしてしまいますし、投資で失敗してしまった場合には、首が回らなくなってしまう危険性すらあります。
FXをする際には、余裕資金の中から投資に回せるお金を捻出して、生活資金には、絶対に手を出さないようにしましょう。
資金に見合った取引をする
FXを始める際に、もうひとつ意識してもらいたいのが、資金に見合った取引をするという点です。
FXの大きな特徴のひとつに、レバレッジがあります。FXは、レバレッジをかけられるおかげで、少ない資金でも大きな取引を行うことができるのですが、レバレッジが高くなると、期待できるリターンだけでなく、リスクも大きくなります。
FXでは、最大で25倍のレバレッジをかけることができますが、少ない資金で大きなレバレッジをかけていると、たった1回の失敗で、資金不足に陥ってしまい、取引不能となることも考えられます。
用意できる資金が多いのであれば、大きなレバレッジをかけて、大きな取引をするのもありですが、用意できる資金が少ないのであれば、あまり大きなレバレッジをかけるのは、おすすめできません。
少額から始める場合は、いきなり大きな取引を行うことは避け、リスクを抑えた取引を心がけましょう。
1,000通貨以下の取引なら少額でリスクを抑えられる
少ない資金でリスクを抑えた取引を行うのであれば、1,000通貨以下の少額取引がおすすめです。
FXでは、一般的に、1通貨単位で取引を行うことはできず、一度に、1万通貨や1,000通貨といったまとまった量の通貨を取引します。一度の注文で取引できる通貨量の最小単位のことを取引通貨単位といって、これは、各FX会社によって、異なります。
取引通貨単位は、1万通貨というのが、基本ではありますが、近年では、取引通貨単位を1,000通貨以下に設定しているFX会社も多くなっています。
1,000通貨以下の取引であれば、4,000円程度から始めることができますし、取引量が小さい分、少ない資金でも、リスクを抑えた取引ができます。
10万円単位のまとまった資金を用意できるのであれば、1万通貨の取引でも問題ありませんが、10万円未満の資金でFXを始めようとお考えの方は、まずは、1,000通貨以下の取引から始めることをおすすめします。
サラリーマンにおすすめのトレードスタイル
サラリーマンがFXを行うにあたって、おすすめのトレードスタイルが、デイトレードです。
デイトレードは、数分から数時間のスパンで取引を行うトレードスタイルです。価格変動の大きな相場であれば、短時間で大きく稼ぐこともできますので、夜間にしか取引できないサラリーマンの方にも向いています。
サラリーマンの方が、デイトレードを基本的な戦略とする際に、注意しておきたいのが、翌日にポジションを持ち越さないこと。
決済のタイミングがないと、どうしても、ポジションを維持してしまいがちですが、翌日までポジションを保有していると、値動きが気になって、仕事に集中できなかったり、仕事中に落ち着かなかったりと、本業に支障を来たす可能性があります。
それを防ぐためには、保有したポジションは、その日のうちに決済してしまうことが大切です。
気持ちの切り替えがうまい方であれば、問題はないかもしれませんが、基本的には、エントリーしたら、その日のうちに決済して、翌日の本業に臨むようにしておくと良いと思います。
なお、FXを資産運用として考えているのであれば、スワップポイント狙いの長期的なポジショントレードも有効な戦略です。
為替差益よりもスワップポイントにターゲットを絞っているのであれば、短期的な為替レートの変動に一喜一憂することもないでしょう。
サラリーマンのFXにおける税金と確定申告
最後に、サラリーマンの方のFXにおける税金と確定申告について、解説しておきます。
FXで利益を得た際は確定申告が必要
FXで得た利益については、申告分離課税の対象となり、所得税と住民税が課せられます。税率は、所得税が20.315%、住民税が5%です。
申告分離課税というのは、他の所得とは切り離して税額が計算される課税方式です。
サラリーマンの方は、本業の給与所得については、勤務先の会社が年末調整をしてくれるため、基本的に、確定申告を行う必要はありませんが、FXで利益を得た場合は、年末調整とは別に、確定申告をしなければなりません。
ただし、FXで利益を得た場合でも、必ず確定申告が必要という訳ではなく、給与所得や退職所得以外のFXの利益を含む所得が、20万円以内の場合は、確定申告は不要となります。
つまり、FXの利益以外に副収入がない場合は、年間の利益が20万円を超えた場合にのみ、確定申告を行う必要があるということになります。
FXで損失を出した際は損益通算と繰越控除の対象
一方、FXで損失を出した場合、義務ではありませんが、確定申告をすべきです。
というのも、FXの損失については、損益通算と繰越控除という税金の減免措置の対象となり、これらを受けるためには、確定申告を行う必要があります。
損益通算は、複数の金融商品の取引で得た損益を通算できる制度で、FXの損益については、CFDや先物取引の損益といった他の「先物取引に係る雑所得等」と相殺することができます。
繰越控除は、損失を翌年以降3年間の利益と相殺できる制度で、翌年以降3年間にFXやCFD、先物取引で利益を得た場合は、この利益から過去の損失を差し引いた金額が課税対象となります。
これらは、確定申告を行っていなければ、適用を受けることができませんので、FXで損失を出してしまった場合にも、忘れずに確定申告をするようにしましょう。
なお、FXの税金については、以下の記事で、詳しく解説しています。確定申告や損益通算と繰越控除についても、より詳細にまとめていますので、参考にしてみてください。
まとめ
- FXはサラリーマンの向きの投資
- FXは副業にはあたらない
- 生活資金には手を出さず少額でリスクを抑えた取引から始めるべき
- FXが本業に支障を来たさないよう心がけるべき
- 本業に影響しないようポジションは翌日に持ち越さないよう心がける
- FXで20万円を超える利益を得た場合は確定申告が必要
このページで解説したとおり、FXは、サラリーマンの投資に適した特徴を持っていて、サラリーマンの副業としても人気です。
うまく稼ぐことができれば、本業以上の収入を手にすることもできます。しかし、損失を出してしまう可能性もありますし、サラリーマンである以上、本業に支障を来たすようではいけません。
投資はあくまで余裕資金で、リスクを抑えた取引を心がけ、本業とうまく両立していきましょう。