FXの注文方法とそれぞれの活用法を徹底解説!必須な注文から便利な注文まで一挙紹介!

FXには、複数の注文方法があります。必ず身につけておかなければならないものもあれば、使うことで、便利になるものまで様々です。

ここでは、必ず覚えておくべき基本的な注文方法3種類と使いこなせれば、取引が便利になる応用的な注文方法3種類をご紹介します。

このページの要点
  • 成行注文、指値注文、逆指値注文は、トレードに欠かせない必須の注文方法
  • OCO注文、IFD注文、IFDOCO注文は、複数の注文方法を組み合わせた便利技

基本的な注文方法│成行・指値・逆指値

FXの取引において、基本となる注文方法には、成行注文、指値注文、逆指値注文という3種類があります。

基本的な注文方法
  • 成行注文
  • 指値注文
  • 逆指値注文

とりあえずは、これら3種類の注文方法を使いこなせれば、問題なくトレードができます。

それぞれの注文方法の特徴や活用法については、以下で解説しますが、どれも、超重要なものばかりですので、しっかり理解しておいてください

成行注文とは

最も基本的な注文方法が、成行注文です。成行注文は、価格を指定せずに、今現在の価格で売買を行う注文方法です。画面に表示されている現在の為替レートで売買が行われます。

次で解説する指値注文や逆指値注文のように、売買価格の指定は行いませんので、いくらになったら買いたい、売りたいというよりかは、今すぐ買いたい、売りたいという際に使用する注文方法です。価格重視というより、スピード重視といった感じですね。

成行注文の活用法

成行注文は、とにかく今すぐ売買したいという場合に使用します。目の前のこのタイミングが、売買のチャンスというときですね。

デイトレードやスキャルピングのように、短期的なトレードでは、特に活躍する場面が多いと思います。新規注文でも、決済注文でも、売買を行いたいタイミングが訪れたら、成行注文の出番です。

成行注文の注意点│スリッページの発生には要注意

成行注文で注意すべきなのが、スリッページの発生です。スリッページは、注文時の価格と約定時の価格のズレのことで、成行注文とは切っても切れない関係と言っても良いかもしません。

成行注文は、売買価格を指定できないので、スリッページが発生して、表示されている為替レートとは異なる想定外のレートで約定してしまうことがあるのです。

スリッページを防ぐ工夫

スリッページを防ぐ方法として、最もシンプルかつ重要なのが、約定力が高く、スリッページが発生しにくいFX会社を使うこと。

スリッページの発生頻度は、それぞれのFX会社に依存していて、スリッページが多いFX会社もあれば、スリッページが少ないFX会社もあります。中には、まったくと言って良いほどスリッページがないFX会社もありますので、スリッページを防ぐには、このようなFX会社を使うのが、最も効果的です。

次に考えられる対策が、スリッページの許容範囲を設定すること。

FX会社の多くは、成行注文をストリーミング注文という名称にしています。この成行注文とストリーミング注文、基本的には、同じ注文方法なのですが、唯一違う点があります。それが、スリッページの許容範囲を設定できるかどうか。一般的に、スリッページの許容範囲を設定できるものが、ストリーミング注文で、設定できないものが、成行注文という名称になっています。

ストリーミング注文の場合は、許容できるスリッページの幅を指定でき、設定した幅を超えるスリッページが発生すると、約定しない仕組みになっています。これによって、発生するスリッページ幅をコントロールすることができますが、スリッページ幅を狭くするほど、約定拒否が起きたり、約定スピードが遅くなったりしますので、注意が必要です。

スリッページの許容範囲を設定することで、スリッページは抑えられますが、一方で、成行注文やストリーミング注文のメリットであるスピードを犠牲にしてしまう危険性もありますので、注意が必要です。この辺りは、調整しながら、うまく活用するようにしましょう。

指値注文とは

指値注文は、現在よりも有利な価格を指定して、その価格に到達したところで売買を行うという注文方法です。

例えば、現在の米ドル/円の為替レートを1米ドル=100円とします。このとき、1米ドル=99円で買いの指値注文を入れておくと、1米ドル=99円に到達した時点で、買い注文が成立します。

もちろん、指値注文は、買いだけでなく、売りの注文にも対応しています。上記の例とは逆に、1米ドル=101円で売りの指値注文を入れておけば、1米ドル=101円に到達した時点で、売り注文が成立するということになります。

  • 1米ドル=100円が99円になったら買いたい…99円で買いの指値注文
  • 1米ドル=100円が101円になったら売りたい…101円で売りの指値注文

買い注文でも、売り注文でも、指定する現在よりも有利な価格に到達したところで、自動的に売買を行ってくれるのが、指値注文です。

指値注文の活用法

指値注文が活躍する場面としては、逆張りの新規注文や利益確定の決済注文が考えられます。

指値は逆張りエントリーに使える

例えば、米ドル/円が、99円~101円のレンジで上下している相場であれば、新規注文の際、99円付近で買いの指値注文、101円付近で売りの指値注文を入れることで、逆張りでエントリーすることが可能です。トレンドの転換点についても、同じ考え方で、攻めることができます。

指値は利益確定にも便利

また、既にポジションを持っている場合、決済注文に使用することもできます。例えば、1米ドル=99円のときに買ったポジションに対し、101円で売りの指値注文を入れておけば、1米ドル=101円に到達したところで、利益確定ができることになります。

このように、指値注文は、新規注文でも、決済注文でも活躍する場面の多い定番の注文方法ですので、必ず押さえておいてください。

指値注文の注意点

指値注文の注意点としては、指定した価格に到達しない限り、注文は成立しないという点が挙げられます。

指値注文で指定した為替レートと値動きが1pipsでもずれていれば、その注文は成立しません。そのため、指値注文を行う際には、多少の幅を持たせて、価格を指定することをおすすめします。

例えば、1米ドル=101円から100円に到達したところで買いたいのであれば、1米ドル=100.05円で買いの指値注文を入れるといった感じです。

また、実現の可能性が低い価格を指定するのも、良くありません。新規注文の場合は、注文が成立しなくても、チャンスを逃すだけで済みますが、利確の際の決済注文の場合、指値注文が通らなかったために、決済のタイミングを逃してしまい、利益が損失に変わってしまうということも考えられます。欲を出し過ぎず、現実的かつ控えめな価格で、注文を入れておく方が良いでしょう。

逆指値注文とは

逆指値注文は、指値注文とは逆に、現在よりも不利な価格を指定して、その価格に到達したところで売買を行うという注文方法です。

例えば、現在の米ドル/円の為替レートを1米ドル=100円とした場合、1米ドル=101円で買いの逆指値注文を入れておけば、1米ドル=101円に到達した時点で、買いの注文が成立しますし、同じように、1米ドル=99円で売りの逆指値注文を入れておけば、1米ドル=99円に到達した時点で、売りの注文が成立します。

  • 1米ドル=100円が101円になったら買いたい…101円で買いの逆指値注文
  • 1米ドル=100円が99円になったら売りたい…99円で売りの指値注文

指値注文が、現在よりも有利な価格を指定するのに対し、逆指値注文は、現在よりも不利な価格を指定する注文方法です。名前の通り、指値注文とは、逆の注文方法と考えておけば、分かりやすいと思います。

逆指値注文の活用法

逆指値注文は、一見、使いどころがないようにも感じてしまうかもしれませんが、非常に重要な注文方法です。

逆指値が最も輝くのは損切りの場面

逆指値注文が最も活躍するのは、損切りのための決済注文。ポジションを持った後、狙いとは反対に、不利な方向に値が進んだ場合、どこかのタイミングで損切りをしなければなりません。損切りをしなければ、永遠に含み損が広がる危険性があるからです。

そこで、あらかじめ、損切りする価格を決めておいて、逆指値注文を入れておきます。そうすれば、仮に、不利な方向に値が進んでも、逆指値注文を入れている価格で決済されるため、損失を限定できるという訳です。

逆指値は順張りエントリーにも有効

また、逆指値注文は、指値注文同様、決済注文だけでなく、新規注文の際にも使えますが、逆指値注文が効果的なのは、指値注文とは反対に、順張りのトレードにおいてです。

例えば、米ドル/円のトレードにおいて、上昇トレンドとなっているところ、101円を突破することができれば、更に、値が上昇すると考えられる場合、101円で買いの逆指値注文を入れておくことで、101円を突破した後の上昇トレンドについて行くことができます。

逆指値注文も、指値注文と同様に、非常に使いどころの多い注文方法ですので、しっかり理解しておきましょう。

逆指値注文の注意点

逆指値注文の注意点は、指値注文と似ています。ある程度の余裕を持たせた上で、価格を指定することが大切です。ただ、指値注文と違うのは、指値注文が、狙っている価格の手前の価格を指定するのに対し、逆指値注文は、狙っている価格の向こう側の価格を指定するという点です。

例えば、米ドル/円が、100円から101円になったところで、買いたいのであれば、101.05円を指定して、買いの逆指値注文を入れます。

実際のトレードでは、レンジをブレイクしたように見えても、すぐに元のレンジに戻るようなことが、良くあります。この例で言えば、101円を突破すれば、更に円安が進むと読んでいたにもかかわらず、すぐに反転し、円高方向に値が戻るといったケースです。

このときに、もし、101円ちょうどのところで、買いの逆指値注文を入れておいたとすると、101円で買ったは良いものの、買った途端に反転下落し、含み損が広がる一方となってしまいます。

これを避けるためには、上記のように、ある程度の幅を持たせて、狙っている価格の少し向こう側の価格を逆指値に指定しておくことが、重要になってきます。

指値も逆指値も、狙っている価格とピッタリではなく、ある程度の余裕を持った価格を指定することが大切です。

基本的な注文方法のまとめ

FXにおける基本的な注文方法である成行注文、指値注文、逆指値注文という3つの注文方法について、それぞれの特徴を改めて、以下にまとめました。

注文方法 特徴 主な使用局面
成行注文 価格を指定せず、今現在の価格で売買する すぐに売買を行いたいとき
指値注文 現在より有利な価格を指定して売買する 利益確定の決済注文及び逆張りの新規注文
逆指値注文 現在より不利な価格を指定して売買する 損切りの決済注文及び順張りの新規注文

これらは、基本的かつ超重要な注文方法ですので、必ず使いこなせるようにしておいてください。

応用的な注文方法│OCO・IFD・IFDOCO

以下のOCO注文、IFD注文、IFDOCO注文という3種類の注文方法は、指値注文と逆指値注文を組み合わせた注文方法です。

応用的な注文方法
  • OCO注文
  • IFD注文
  • IFDOCO注文(IFO注文)

これらは、必須という訳ではありませんが、便利な注文方法ですので、必要に応じて、活用してみると良いと思います。

OCO注文とは

OCO注文(オーシーオー注文)は、「One Cancels the Other order」の略で、2つの注文を同時に行い、どちらかが約定した場合、もう一方の注文がキャンセルされる注文方法です。

同時に出す2つの注文は、指値注文と逆指値注文の組み合わせになります。指値注文と指値注文の組み合わせ、指値注文と逆指値注文の組み合わせ、逆指値注文と逆指値注文の組み合わせのいずれも可能です。

また、新規注文でも、決済注文でも使用することができます。

OCO注文の活用法

OCO注文には、いくつかの活用法が考えられますが、以下では、3つのケースを考えてみましょう。

指値と指値を組み合わせた新規注文

指値と指値を組み合わせたOCO注文は、レンジ相場における逆張りで使えます。

例えば、米ドル/円が、99円~101円の幅で行き来しているレンジ相場であれば、99円付近で買いの指値、101円付近で売りの指値を組み合わせたOCO注文を入れることで、レンジの上限と下限付近の両方を逆張りで攻めることができます。

逆指値と逆指値を組み合わせた新規注文

逆指値と逆指値を組み合わせたOCO注文は、レンジブレイクしたところを順張りで狙うのに適しています。

上の例と同じ、99円~101円の米ドル/円のレンジ相場の場合、99円付近で売りの逆指値、101円付近で買いの逆指値を入れることによって、レンジを上抜いた場合でも、下抜いた場合でも、順張りでついて行くことができます。

指値と逆指値を組み合わせた決済注文

決済注文においては、指値と逆指値を組み合わせることによって、利確と損切りを同時に出すことができます。

例えば、1米ドル=100円の買いポジションを持っている場合に、OCO注文を使って、101円で売りの指値、99円で売りの逆指値を同時に出しておくことによって、値が101円まで上昇すれば、利確の指値注文が成立し、反対に、99円まで下落すれば、損切りの逆指値注文が成立することになります。

IFD注文とは

IFD注文(イフダン注文)は、「If Done」の略で、新規注文と決済注文を同時に出すことができる注文方法です。

2つの注文を同時に出すことができるのは、OCO注文と同じですが、IFD注文の場合は、1つ目の注文(一次注文)が約定することで、2つ目の注文(二次注文)が有効になります。

IFD注文も、OCO注文と同様、指値注文と逆指値注文を自由に組み合わせることができます。

IFD注文の活用法

IFD注文は、新規注文とその後の決済注文を同時に出すことができるというメリットがあります。

一次注文を新規注文とし、二次注文で指値の決済注文を入れておけば、エントリーから利確の注文までを同時に出すことができますし、二次注文で逆指値の決済注文を入れておけば、エントリーから損切りの注文までを同時に出すことができます。

取引の一連の流れを一度の注文で済ますことができるというのが、IFD注文の特徴です。

IFD注文の注意点

IFD注文の注意点として、理解しておかなければならないのは、一次注文と二次注文それぞれに、1つずつしか注文を設定できないという点です。

例えば、一次注文を新規注文として、二次注文には、利確の指値注文か損切りの逆指値注文のいずれかしか設定することができません。二次注文に利確の指値注文を設定した場合、損切りは手動で行う必要がありますし、反対に、二次注文に損切りの逆指値注文を設定した場合、利確は手動で行う必要があります。

IFDOCO注文(IFO注文)とは

IFDOCO注文(イフダンオーシーオー注文)は、IFO注文と呼ばれることもありますが、その名の通り、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法になります。

一次注文と二次注文を同時に出すことができ、かつ、二次注文でOCO注文を出すことができるというのが、IFDOCO注文です。

IFD注文のように、新規注文と決済注文を同時に出すことができるだけでなく、決済注文において、OCO注文を使うことができるので、利確と損切りの両方の注文を同時に出すことができるというメリットがあります。

IFDOCO注文の活用法

IFDOCO注文は、新規注文から利確と損切りまでを同時に出すことができるので、取引の一連の流れを一度の注文ですべて済ませることができます。

例えば、米ドル/円のトレードにおいて、100円から99円まで下落したところで、買いのエントリー、その後、100円まで値を戻したら、利確、反対に、98円まで下落したら、損切りをしたいという場合、IFDOCOを使って、一次注文に99円付近で買いの指値を設定し、二次注文に100円付近で売りの指値と98円付近で売りの逆指値を設定すれば、OKです。

これで、新規注文から利確及び損切りまでの注文を出したことになります。

応用的な注文方法のまとめ

OCO注文、IFD注文、IFDOCO注文は、指値注文と逆指値注文を組み合わせたもので、うまく活用すれば、便利に取引が行えます。

特に、IFDOCO注文は、一度の注文で、エントリーから利確及び損切りまでを済ませることができるので、非常に便利。チャートの前に張り付いていなくても、一連の取引を行ってくれるので、半自動売買とも言うことができます。

成行注文、指値注文、逆指値注文とは違い、どうしても覚えておかなければいけない注文方法ではありませんが、覚えておいて損はありませんので、基本的な3種類の注文方法をマスターしたら、これらにも挑戦してみると良いと思います。

FXの注文方法のまとめ

ここでは、FXの代表的な注文方法として、基本的な注文方法3種類と応用的な注文方法3種類をご紹介しました。

まずは、基本的な注文方法の3つをしっかり自分のものにするところから始めましょう。これらを使いこなせなければ、満足な取引はできません。

これらをマスターした上で、必要があれば、応用的な注文方法を活用してみるという流れで、取引を行ってみると良いですよ。