
- pipsは、FXにおける各通貨共通の単位のこと
- pipsは、各通貨ペアにおける最小単位の1%を表す
- pipsは、トレードの成果を客観的に判断するのに役立つ
pipsとは
pipsは、「percentage in points」の略で、FXにおいて用いられる各通貨共通の単位のことです。
FXにおいては、値動きを表す際等にpipsという言葉が用いられます。例えば、「20pipsの利益が出た」とか「-30pipsで損切り」といった感じです。他にも、スプレッドの幅を表す際にも使われています。
pipsは各通貨共通の単位
FXで取引できる通貨ペアは様々ですが、それぞれの通貨には、通常、固有の通貨単位が用いられます。例えば、日本円の場合は、円や銭、米ドルの場合は、ドルやセントが使われますよね。この円や銭、ドルやセントを置き換えたものが、pipsです。
pipsは、各通貨共通で使うことができますので、どの通貨ペアの取引にも使うことができます。そこが、pipsの便利な点です。
各通貨ペアにおけるpipsの定義
pipsは、各通貨ペアにおける最小単位の1%を表す単位です。
クロス円の通貨ペアの場合は、円の1%が1pipsとなります。つまり、クロス円では1pips=1銭(0.01円)です。そして、ドルストレートの通貨ペアの場合は、ドルの最小単位であるセントの1%が1pips(0.01セント)です。ドルストレートでは、1pipsが0.0001ドルとなります。
- クロス円
- 1円×1%=1pips(=0.01円=1銭)
- ドルストレート
- 1セント×1%=1pips(=0.01セント=0.0001ドル)
日本円の最小単位は銭ですが、現在は流通していませんので、銭ではなく円の1%を1pipsとしています。
pipsは、クロス円の通貨ペアでは小数点以下第2位のこと、ドルストレートの通貨ペアでは小数点以下第4位のことと覚えておくと分かりやすいかもしれません。
pipsを使うメリット
pipsを使うメリットとしては、以下の2点が挙げられます。
- あらゆる通貨に使うことができる
- 成果を客観的に判断できる
あらゆる通貨に使うことができる
まずは、どんな通貨にも使うことができる点。前述したように、通貨にはそれぞれ固有の単位がありますが、pipsという単位は各通貨共通ですので、単純に便利です。
成果を客観的に判断できる
次に考えられるのが、トレードの成果を客観的に判断できる点。
FXでは、同じ値幅の利益を上げたとしても、取引量が異なれば、得られる利益の額は異なります。利益や損失の額は、値幅だけではなく、取引量に応じて変動するのです。
利益額(損失額)=値幅(pips)×取引量
例えば、米ドル/円のトレードにおいて、100pipsの利益を上げた場合、1万通貨の取引であれば、得られる利益の額は1万円となりますが、1,000通貨の取引であれば、利益の額は1,000円となります。
反対に、1,000円の利益を上げた場合、獲得した利益幅は100pipsかもしれませんし、10pipsかもしれません。1,000通貨の取引では1,000円=100pipsとなりますし、1万通貨の取引では1,000円=10pipsだからです。
ちなみに、利益幅と取引量に応じた利益額をまとめると、以下の表のようになります。
取引量 | 利益(損失) | ||
---|---|---|---|
1pips | 10pips | 100pips | |
1通貨 | 1銭 | 10銭 | 1円 |
100通貨 | 1円 | 10円 | 100円 |
1,000通貨 | 10円 | 100円 | 1,000円 |
1万通貨 | 100円 | 1,000円 | 10,000円 |
つまり、利益や損失の額は取引量に応じて変動することから、トレードの成果は金額ではなく、値動きの幅を表すpipsで計るべきなのです。
10pipsの利益幅と100pipsの利益幅であれば、当然、100pipsの方が高いパフォーマンスを上げていますが、1,000円の利益と1万円の利益であれば、どちらが優れたパフォーマンスを上げたかは分かりませんよね。
このように、pipsは、トレードの成果を客観的に計るのに役立ちます。
まとめ
pipsは、FXにおける各通貨共通の単位のことで、各通貨ペアにおける最小単位の1%を表しています。
慣れるまでは混乱してしまうかもしれませんが、FXにおいては、あらゆる場面で使われる単位ですので、確実に頭に入れておきましょう。
実際のトレードを通して、利益や損失の額と値幅(pips)を相互に置き換えて考える癖をつけると、すぐに慣れることができると思います。