
このページでは、リスクオンとリスクオフについて、また、これらが為替相場に与える影響について、解説します。
リスクオンとリスクオフは、市場の心理を表した言葉で、相場が、リスクオンの状態にあるのか、リスクオフの状態にあるのかで、投資家の行動は大きく変化します。
ファンダメンタルズ分析において、非常に重要な考え方になりますので、しっかりと押さえておきましょう。
リスクオンとは
リスクオンは、リスク選考という言葉に置き換えられます。要するに、リスクを積極的に取りに行く動きのことです。
何らかの材料をきっかけに、市場に期待や楽観的な見方が広がると、相場は、リスクオンの状態となります。
リスクオン相場においては、市場は、リスクを積極的に取り、リターン重視の投資を行うようになります。
具体的には、株式や原油等が買われ、株高、原油高が起きる一方で、安全資産である債権や金等は、売られる傾向にあります。
リスクオン相場で買われる通貨と売られる通貨
リスクオン相場においては、買われやすい通貨と売られやすい通貨があります。
買われやすい通貨としては、ユーロやポンドに加え、豪ドルやNZドルといった資源国通貨、南アフリカランドやトルコリラといった新興国通貨が挙げられます。
反対に、円や米ドル、スイスフランといった安全通貨は、売られやすい傾向にあります。
- ユーロ
- ポンド
- 豪ドル
- NZドル
- 南アフリカランド
- トルコリラ
- 円
- 米ドル
- スイスフラン
リスクオフとは
リスクオンの反対が、リスクオフで、リスク回避という言葉に言い換えられます。要するに、リスクを避けるような動きのことです。
市場に不安や悲観的な見方が広がると、相場はリスクオフの状態となります。
リスクオフ相場では、積極的にリターンを追求することはせず、リスクを抑えた投資を行うようになります。
その結果、株や原油は売られ、株安、原油安の状態になり、債券や金が買われることになります。
リスクオフ相場で買われる通貨と売られる通貨
為替相場においては、リスクオフとなると、リスクオンとは反対に、ユーロやポンド、資源国通貨や新興国通貨が売られ、安全通貨である円、米ドル、スイスフランが買われる傾向にあります。
戦争やテロといった有事の際には、米ドルが買われる傾向にあることを表した「有事のドル買い」という言葉がありますが、リスクオフの相場では、まさに、このような状況が生まれやすくなります。
- 円
- 米ドル
- スイスフラン
- ユーロ
- ポンド
- 豪ドル
- NZドル
- 南アフリカランド
- トルコリラ
リスクオンとリスクオフを決める材料
市場に楽観的な見方が広がると、相場は、リスクオンとなり、市場に悲観的な見方が広がると、相場は、リスクオフとなります。
リスクオンとリスクオフの流れを決める材料としては、あらゆるファンダメンタルズ要因が考えられます。
例えば、経済指標がポジティブな結果であれば、リスクオンとなりますし、ネガティブな結果であれば、リスクオフとなります。要人発言も同様です。ポジティブな内容の発言があれば、リスクオン、ネガティブな内容の発言があれば、リスクオフとなります。
更に、自然災害や戦争、テロといった地政学的リスクの高まりは、リスクオフの要因です。
また、為替は、株式市場や原油市場の影響を強く受けます。これらは、景気を測るバロメーターとなっていて、株価や原油価格が上がると、為替相場は、リスクオンの流れとなり、反対に、株価や原油価格が下がると、為替相場は、リスクオフの流れとなります。
- 経済指標
- 要人発言
- 地政学的リスク
- 株式市場
- 原油市場
まとめ
- リスクオンは、リスクを積極的に取りに行く動きのこと
- リスクオフは、リスクを回避する動きのこと
- リスクオン相場では、資源国通貨や新興国通貨が買われ、安全通貨が売られる傾向にある
- リスクオフ相場では、安全通貨が買われ、資源国通貨や新興国通貨が売られる傾向にある
市場が、リスクオンの状態にあるのか、リスクオフの状態にあるのかを読み解くことは、ファンダメンタルズ分析における重要な鍵となります。
様々なファンダメンタルズ要因が、リスクオンとリスクオフの流れを決める材料となるため、取引の際は、市場におけるあらゆる情報にアンテナを張っておきましょう。