
FXでは、決済注文をすることで、利益や損失が確定されます。決済を行わなければ、いつまで経っても、利益や損失は確定しません。
ここでは、ポジションを決済して、利益を確定させる利益確定と、損失を確定させる損切りについて、解説します。
どちらも、ただポジションを決済すれば良いだけなのですが、実は、意外と難しく、奥深いのです。利確と損切りを上手にできなければ、FXで稼ぐのは、不可能。正しい利確と損切りの仕方をしっかりと身につけておきましょう。
- 利益確定は、決済により、含み益を実現益に確定させること
- 損切りは、決済により、含み損を実現損に確定させること
- 損失は小さく、利益は大きくすることが大切
利益確定と損切り
エントリーをして、値が動けば、利益や損失が出ます。ポジションを決済しないままであれば、その利益や損失は、確定されておらず、含み益や含み損の状態となります。ちなみに、含み益や含み損は、それぞれ評価益、評価損とも呼ばれます。
利益確定と損切りは、ポジションを決済することによって、この含み益と含み損を実現益と実現損に確定させる作業のことを指しています。
利益確定とは
いくら含み益を抱えていても、それを確定しなければ、利益は自分のものになりません。決済することによって、利益を確定させて、初めて、利益が自分の口座に入るのです。
このように、含み益が出ているポジションを決済して、利益を確定させることを利益確定と言います。一般的には、略して、利確と呼ばれることが多いですね。また、利食いと呼ばれることもあります。
利益が乗ったら、利確。当然のことではありますが、これをしなければ、儲けを得ることはできません。
損切りとは
利確とは反対に、ポジションを決済して、含み損を実現損に確定させることを損切りと言います。
エントリー後、狙いとは反対の方向に値が動いて、含み損を抱えても、その段階では、損失が確定したことにはなりません。ポジションを決済することで、初めて、損失が確定されます。
それなら、損切りなんてしない方が良いのではとも考えてしまいがちですが、損切りは、FXにおいて、超が何個付いてもおかしくないくらい大事なこと。
仮に、損切りをせず、含み損を抱えたままにしておくと、思惑とは反対の方向に値が動き続け、含み損がどんどん膨らんでいく危険性があります。こうなってしまうと、ポジションが塩漬けになってしまったり、結果として、有効証拠金が減ってしまい、新規ポジションを持つことができないばかりか、ロスカットに引っかかってしまって、相場から退場してしまうなんてことにもなってしまいます。
損失を出すのは、怖いですし、自ら損失を確定させるのは、なかなか勇気がいることですが、損切りをして、損失を受け入れることは、FXで勝つ上で、非常に重要なのです。
損小利大を心がける
トレードの基本は、損失は小さく、利益は大きくです。投資の世界に、損小利大という言葉がありますが、それが表す通り、損失を小さく抑えながら、大きな利益を確保するというのが、FXで勝つために欠かせない考え方になります。言い換えると、損切りの幅は小さく、利確の幅は大きくということになります。
実際にトレードをしてみると、よく分かるのですが、何も意識していないと、損失は大きくなりがちで、利益は小さくなりがちです。含み損を抱えているときは、値が戻るという期待を持ってしまったり、損失を確定させるのが怖かったりして、損失は膨らみやすいです。反対に、含み益が出ているときは、早く利益を確定させたいという焦りから、少しの利益で決済してしまったりします。
しかし、これは、負けトレーダーの典型的な決済パターン。これでは、FXで勝つことはできません。
含み損が出た場合は、早い内に、潔く退くべきですし、含み益が出た場合は、損切り幅以上の利益の確保を意識して、十分な利が乗るまで我慢すべきなのです。たとえ、勝率が五分五分以下であっても、トータルで勝てるくらいの利益幅を確保することが大切です。
損をしたくないというのは、人間の心理としては当然で、初心者の方ほど、この心理が、トレードに如実に表れてきます。こうなると、損小利大ではなく、損大利小のトレードになってしまいます。
損失は小さく、利益は大きく。損小利大の意識を持って、トレードに臨むようにしましょう。
損小利大を徹底するためのトレード法
損小利大のトレードを徹底するためには、エントリーする段階で、あらかじめ利確と損切りのポイントを設定しておくという方法が、効果的です。
決済のポイントを決めていないと、感情に振り回されてしまい、損大利小の負けパターンに陥ってしまいがちですが、事前に、決済のポイントを決めておくことで、これを防ぐことができます。
まずは、損失は小さく、利益は大きくなるような損切りと利確のポイントを設定します。トレードは、自らの分析に基づいて行うことが、大原則。エントリーするポイントは、分析の結果、導かれるものですが、この時点で、利確と損切りのポイントを決めておきましょう。そして、エントリーしたら、あらかじめ定めておいた決済のポイントに到達するまで待っておき、決済ポイントに到達したら、機械的に決済を行う。これを徹底すれば、損大利小のトレードになることはないはずです。
とは言っても、欲が出てしまい、なかなかプラン通りにトレードできないのが、人間の性なのですが、ここは、我慢するしかありません。一度決めた利確と損切りのポイントは変更せずに、プラン通りのトレードを心がけてください。
利確と損切りに便利な注文方法
利確と損切りは、もちろん、成行注文で行っても良いですが、指値注文や逆指値注文を活用すると、便利です。
指値注文は、現在よりも有利な価格を指定しておいて、その価格に到達すると、自動的に売買を行うという注文方法。一方の、逆指値注文は、指値注文の逆で、現在よりも不利な価格を指定しておいて、その価格に到達すると、自動的に売買を行うという注文方法です。
これらの注文方法の便利なところは、設定しておいた価格に到達すると、自動的に売買を行ってくれるという点です。
そのため、あらかじめ設定しておいた利確と損切りのポイントで、指値注文や逆指値注文を入れておけば、そのポイントに到達することで、自動的に決済を行ってくれます。
指値注文は、現在よりも有利なレートを指定することができるので、利確に使えますし、逆指値注文は、現在よりも不利なレートを指定することができるので、損切りに使うことができます。また、利確と損切りの注文を同時に行いたいのであれば、指値と逆指値を同時に設定できるOCO注文も便利です。
FXには、複数の注文方法があります。ここでは、成行注文、指値注文、逆指値注文という基本的な注文方法とOCO注文、IFD注文、IFDOCO注文という便利な応用的注文方法の特徴と活用法を分かりやすく解説します。
これらの注文方法を活用すれば、利確のチャンスを逃したり、損失を無駄に広げることは、避けられるはずです。
利確と損切りのまとめ
利確と損切りは、基本的な作業ではありますが、実は、非常に重要です。作業としては、誰にでもできる簡単なものなのですが、適切な利確や損切りを行うことは、意外と難しいのです。
大切なのは、損失は小さく抑え、利益は大きく確保すること。欲に負けず、損小利大のトレードを心がけてください。