塩漬けが大損を招く!FXにおける塩漬けへの対処法と塩漬けを防ぐ方法

損小利大が投資の鉄則ではありますが、含み損を抱えたままのポジションを保有する塩漬けに頭を悩まされているという方も珍しくありません。

塩漬けは、大きな損失の要因にもなり得ますし、精神的な負担も強いられることから、決して好ましい状態ではありません。

このページでは、塩漬けが招くリスクや塩漬けへの対処法、塩漬けを防ぐ方法等について、解説していますので、しっかりと頭に入れて、トレードに活かしてみてください。

塩漬けとは

塩漬けとは、含み損を抱えているポジションを決済せずに、長期間保有し続ける状態のことを言います。

含み損を抱えた際に、損切りさえ行っていれば、塩漬けポジションはできないはずですが、損切りを執行するのも、勇気が必要です。

損失を出すのが怖いという恐怖や再び値が戻るのではないかという期待から損切りをせずにいると、含み損が拡大してしまい、損切りしたくてもできない塩漬けポジションができてしまうことになります。

塩漬けのデメリット

塩漬けは、決済さえしなければ、損失が確定することはありませんし、塩漬けポジションを保有し続けていても、手数料がかかることはありません。

塩漬けポジションを抱えているだけの状態では、金銭的なダメージを被ることはないのですが、それでも、塩漬けを避けるべき理由があります。

塩漬けのデメリット
  • 永遠に利益が出ない可能性がある
  • 証拠金を圧迫する
  • 精神衛生上良くない

永遠に利益が出ない可能性がある

待っていれば、いつかは必ず利益になるというのであれば、塩漬けポジションも保有し続ける意味はありますが、その保証はどこにもありません。

永遠に利益が出ない可能性もあります。

利益が出ないポジションであれば、保有している意味はありませんし、利益が出るかどうか分からないポジションを保有し続けるのも、決して賢い選択とは言えません。

証拠金を圧迫する

ポジションを建てるということは、証拠金が必要になります。塩漬けポジションであれば、含み損を抱えていますので、含み損の額だけ、有効証拠金は減ってしまいます。

有効証拠金が少ないと、新規ポジションを建てることができなかったり、最悪の場合、証拠金維持率の低下によって、マージンコールやロスカットにかかってしまうことも考えられます。

ロスカットとなってしまえば、強制的に損失が確定されてしまいますので、長期間含み損に耐えてきた努力も水の泡となってしまいます。

精神衛生上良くない

塩漬けポジションを保有し続けているのは、精神衛生上、決して良いものではありません。

資金的に余裕があるのであれば、そこまで気にすることはないのかもしれませんが、含み損が大きければ、大きいほど、精神的な負担も大きくなります。

常に、含み損が気になったり、ロスカットにおびえて過ごすことになってしまいます。

塩漬けポジションを持っているというのは、非常に大きなストレスで、トレードに影響を与えるだけでなく、日常生活にも支障を来たしかねませんので、注意が必要です。

塩漬けの解消法

塩漬けポジションは作らないのが一番ですが、一旦、できてしまった塩漬けポジションはどうしたら良いのでしょうか。

塩漬けポジションへの対処法としては、以下が考えられます。

塩漬けの解消法
  • 利益が出るまで待つ
  • ナンピンをする
  • 損切りをする

利益が出るまで待つ

最も単純なのは、利益が出るまで待つ方法です。うまいこと値が動けば、塩漬けを解消できます。

しかし、ポジションを保有し続けるとなると、更なる含み損の拡大に備えて、更なる資金の投入が必要になるかもしれませんし、前述したとおり、含み損が含み益に転じる保証はどこにもありません。

利益が出る確証があるのであれば、ホールドし続けるのも良いかもしれませんが、そうでなければ、完全に運任せのトレードとなってしまいます。

マイナススワップに要注意

なお、塩漬けポジションを保有し続ける際には、スワップポイントにも気を配っておく必要があります。

特に、スワップポイントがマイナスの場合、ポジションを持っているだけで、損失が拡大し続けてしまうため、注意が必要です。

スワップポイントがプラスであれば、含み損の解消に一役買ってはくれますが、スワップポイントで塩漬けポジションの解消を狙うのは、効率的ではありませんし、あまりに大きな含み損を抱えている場合は、現実的でない場合もあります。

また、スワップポイントは、日々変動するため、プラスのスワップがマイナスに変わることも考えられるため、スワップポイントに過度な期待を寄せるのは、やめておいた方が良いでしょう。

ナンピンをする

ナンピンとは、保有中のポジションが含み損を抱えた際に、ポジションを積み増して、ポジションの平均コストを下げることを言います。

ポジションの平均コストが下がるということは、ポジションの損益分岐点が下がることを意味しますので、ナンピンを行うことによって、より利益が出やすくなります。

ただし、「下手なナンピン素寒貧」という相場格言があるように、ナンピンは、ハイリスクな取引手法と言われています。

ナンピン後に値が戻らなければ、ポジションを積み増した分だけ、含み損は拡大してしまいますので、ナンピンを行う際は、慎重に行う必要があります。

損切りをする

塩漬けの最も有効的な対処法は、損切りです。

大きな痛みを伴うかもしれませんが、今後利益が出るかどうかも分からないポジションと付き合っていくことは、決して賢明な選択とは言えませんし、少なくとも、含み損の拡大によるロスカットという最悪の結末は、防ぐことができます。

ナンピンを行ったり、含み損が拡大する度に資金を投入して、利益が出るまで待つより、きれいさっぱり損切りを行って、次のチャンスに備えたほうが、よほど建設的と言えます。

損失が出た場合は確定申告を行う

話は少しそれますが、塩漬けポジションを損切りしたことにより、1年間のトータルの損益がマイナスとなった場合は、忘れずに確定申告を行いましょう。

損失が出た際は、確定申告を行うことで、損益通算繰越控除という税制上の減免措置を受けられます。

損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺できる制度で、繰越控除とは、損失が発生した場合に、その損失分を損失が発生した年の翌年以降3年間の利益から相殺できる制度です。

特に、大きな損失を出してしまった際には、繰越控除によって、翌年以降3年間の税金を減額できる可能性があります。

これらの制度は、確定申告をしなければ、利用することができないため、塩漬けポジションの損切りによって、大きな損失を出してしまった際には、必ず確定申告を行うようにしましょう。

塩漬けを防ぐ方法

一旦、塩漬けポジションを作ってしまうと、精神的な負担を課せられますし、それを解消するのは、決して容易ではありません。

塩漬けに悩まされないための最善の方法は、塩漬けポジションを作らないこと。塩漬けを防ぐためには、以下を徹底することが大切です。

塩漬けを防ぐ方法
  • 損切りを徹底する
  • 闇雲にエントリーしない

損切りを徹底する

当然のことですが、含み損が過度に膨らむ前に損切りをしていれば、塩漬けになることはありません。

ただ、損切りは、決済するだけの簡単な話ではありますが、実行するのは、そう簡単ではありません。なかなか損切りに踏み切れないという場合は、以下を心がけてみると良いでしょう。

損切りを徹底するためのテクニック
  • 事前に損切りラインを決める
  • 逆指値注文を活用する
  • 機械的なトレードを心がける

事前に損切りラインを決める

トレードの際には、エントリー前に、あらかじめ損切ラインを決めておきましょう。

そもそも、トレードにおいては、トレードプランが非常に重要で、利確と損切りを行う水準を事前に決めておくのが、セオリーです。

損切ラインが決まっていれば、その水準に価格が到達した際に、損切りを行うことで、過度に含み損が拡大した塩漬けポジションを作ることもなくなります。

逆指値注文を活用する

損切りを徹底するには、逆指値注文を活用するのも有効です。

あらかじめ逆指値注文を入れておけば、相場から離れる際も、確実に損切りを行うことができます。

また、事前に逆指値注文を入れておくことで、感情に左右されることなく、損切りを実行できるというメリットもあります。成行注文で損切りを行おうとすると、どうしても、感情に左右されて、損切りに踏み込めないことがありますが、逆指値注文を入れておけば、それを取り下げない限り、損切りが実行されることになります。

機械的なトレードを心がける

確実に損切りを行うには、機械的なトレードを心がけることが非常に重要です。要するに、感情に振り回されないようにするということです。

損切りができない要因の多くは、恐怖や期待といった感情です。

たとえ、いくら優れたトレードプランを作っていても、感情に振り回されて、それを実行できなければ、何の意味もありません。感情的になってしまっては、勝てるトレードも勝てなくなってしまいます。

トレードの際には、感情に左右されないよう、機械的なトレードを心がけてください。

闇雲にエントリーしない

塩漬けポジションを作ってしまう方の中には、闇雲にエントリーし過ぎるという傾向が見られることがあります。

過度にポジションを持ってしまうことをポジポジ病と呼んだりもしますが、ポジポジ病の原因のひとつに、根拠のないエントリーを繰り返してしまうことが挙げられます。

根拠のないエントリーは、非常に危険で、明確なトレードプランが練られていないことから、塩漬けのリスクも高くなりがちです。

塩漬けを防ぐには、損切りを徹底するとともに、相場分析に基づいた根拠あるエントリーを心がけて、闇雲なエントリーを避けることが大切です。

まとめ

  • 塩漬けは、含み損を抱えているポジションを長期間保有すること
  • 塩漬けは、大きな損失を招くことがある
  • 塩漬けを防ぐには、損切りの徹底が重要

塩漬けは、大きな損失を招く要因となるだけでなく、精神的な負担にもなります。

無傷で塩漬けを解消することは、容易ではないため、損切りを徹底し、闇雲なエントリーを避けることで、常日頃から塩漬けを作らないよう、心がけておくことが大切です。