FXは買いからも売りからも入ることができる!売りから入れる仕組みとメリット
このページの要点
  • FXは、買いからも売りからも入ることができる
  • 売りから入った場合は、通貨の価値が下がるほど利益が出る
  • 売りから入れるFXは、相場がどのような状況にあっても稼げる

FXは売ってから買い戻せる

FXの特徴に、買いだけではなく、売りからも入れるという点があります。

一般的な取引方法は、「買ってから売る」というものです。安く買って高く売ることができれば、利益が出ます。しかし、FXでは、「買ってから売る」取引だけではなく、「売ってから買う」取引ができます。売ってから買う場合は、初めに高く売ってから安く買い戻すことができれば、利益が出ることになります。

FXで利益が出る取引
  • 安く買った通貨を高く売る
  • 高く売った通貨を安く買う

普段の生活においては、手元にないものを売るという取引を行うことがないため、理解するのが難しいかもしれません。このように、「売ってから買う」ことを空売りと言いますが、FXにおいては、非常に重要な概念になりますので、しっかり理解しておいてください。

なお、以下の記事にて、FXの特徴をまとめていますので、これからFXを始めようと思っている方は、一度チェックしておいてください。

通貨ペアを「買う」ことと「売る」ことの意味

まず、FXにおける「買い」と「売り」について、整理しておきましょう。

FXは、通貨と通貨を取引するもので、取引する通貨と通貨の組み合わせを通貨ペアと言います。通貨ペアは、米ドル/円のように、通貨と通貨の間に「/」を入れて表現しますが、これは、右側の通貨を売って、左側の通貨を買うことを意味しています。

つまり、「買い」ということは、そのまま右側の通貨を売って、左側の通貨を買うことを意味していて、「売り」ということは、反対に、左側の通貨を売って、右側の通貨を買うことを意味します。

ロングとショート

なお、投資の世界では、「買い」のことをロング、「売り」のことをショートと言います。

買いの建玉をロングポジション、売りの建玉をショートポジションと表したり、ロングとショートという言葉は、FXにおいては、非常に良く使われる言葉ですので、混乱しないよう、しっかり押さえておきましょう。

売りから入れるFXの仕組み

それでは、FXは、なぜ売りから入ることができるのでしょうか。

それは、FXが差金決済という決済方法を用いた取引だから。

差金決済とは、現物の受け渡しは行わずに、売買で生じた差額のみの受け渡しを行う決済方法のことを言います。

FXは、通貨の取引ですが、現物の通貨の受け渡しは行いません。例えば、米ドル/円で買いのポジションを持ったとしても、米ドルが手元に届くことはありません。

更に言うと、買いポジションを持った場合は、必ず売るという取引をしなければいけませんし、売りポジションを持った場合は、必ず買うという取引をしなければいけません。ポジションを決済する期限は設けられていないので、長期間保有し続けることは可能ですが、ポジションを永遠に保有し続けるという選択肢はありません。買った通貨は、いつか売らなければなりませんし、売った通貨は、いつか買い戻さなければならないのです。

普段の生活で物を買う場合は、当然、買った物を持ち続けても良い訳ですが、FXの場合は、そうではありません。一旦保有したポジションは必ず決済すること前提となっています。

FXは、買いと売りが必ずセットになっているので、買いだけでなく、売りからも入ることができるのです。

売りから入れるメリット

買いだけでなく、売りから入れるということは、大きなメリットです。

買いから入る場合は、安く買って高く売ることができれば、利益が出ますが、売りから入る場合は、高く売って安く買い戻すことができれば、利益が出ます。言い換えれば、買いの場合は、買った通貨の価値が上がることで利益を得ることができますが、売りの場合は、売った通貨の価値が下がることで利益を得ることができるということです。

つまり、買いからでも売りからでも入れるということは、市場がどのような状況にあっても稼ぐことができるということを意味しているのです。

売りから入ることができればどのような相場でも稼げる

例えば、円高ドル安が進行している相場において、米ドル/円の取引をする場合、買いからしか入ることができなければ、損失が膨らむ一方で、利益を得ることは不可能ということになります。円安ドル高の状況にならないと利益を上げることはできないのです。

しかし、買いに加えて、売りから入ることができるとなれば、話は変わります。円高ドル安の状況下においては、売りから入ることで、利益を上げることができるからです。

現実に起きた例を考えてみると、買いからでも売りからでも入れるということが、どれだけ大きなメリットなのかがよく分かるかもしれません。

米ドル/円の為替レートは、1973年の変動相場制導入当初、1米ドル=360円でした。これが、2011年には、史上最高値の1米ドル=75.54円まで円高が進んだ訳です。仮に、この間に、円を売って米ドルを買っていれば、損失はどんどん膨らんでいき、大損を抱えていたかもしれません。

外貨預金は売りから入れない

FXと似た投資商品に外貨預金がありますが、外貨預金の場合は、売りから入ることはできません。円高局面で、外貨預金をしていると、他の通貨に対する円の価値はどんどん上がっていきますので、損失は膨らむ一方となってしまいます。外貨ではなく、円で持っておいた方がお得だったということです。

外貨預金の場合は、円安局面でなければ、利益を上げることはできないのです。

売りから入ることができるFXは、相場の状況に臨機応変に対応することができるため、外貨預金にはないメリットを持っていると言えます。

まとめ

FXは、買いだけでなく、売ってから買い戻すという取引を行うことができます。

そして、買いの場合は、買った通貨の価値が上がるほどおいしいですし、売りの場合は、売った通貨の価値が下がるほどおいしいということになります。

買いだけでなく、売りからも入ることができるFXは、相場の状況にかかわらず稼ぐことができるので、非常に大きなメリットを持っているということです。

初めの内は、売りからも入れるということについて、なかなか飲み込めないかもしませんが、FXにおいては、基本的かつ非常に重要な考え方になるので、しっかり理解しておきましょう。