
サラリーマンがFXを始める際に、まず、考えなければならないのが、勤務先において、FXが認められているのかという点です。
サラリーマンの副業として人気のFXですが、副業を禁止している企業も数多くあります。
このページでは、FXで副業をしようと考えているサラリーマンの方向けに、FXは副業にあたるのか、また、FXが会社にばれないための方法について、解説します。
FXは副業にあたるのか
働き方改革の一環として、政府が副業を推進していることもあり、大企業を中心に、副業を容認する企業も多くなってきましたが、まだまだ、副業を禁止している企業は、数多くあります。
それでは、そもそも、FXは副業にあたるのでしょうか。
この点について、基本的には、FXは、副業にはあたらないものと考えられます。
勤務先の就業規則等において、FXを副業と扱うよう定められているのであれば、禁止されているとも考えられますが、副業を禁止している大半の企業においては、副業を他の企業に採用されることや他の職業に就くことと定義していることが多いものと推測されます。
一般的に、FXでは、副収入を得ることはできても、就業とは考えられないため、このような副業禁止規定には当てはまらないものと考えられます。
サラリーマンでもFXが禁止されるケースがある
FXが副業にあたらないからといって、全てのサラリーマンにFXが認められているかというと、そうとも限りません。
実は、証券会社や銀行等の金融機関では、従業員のFX取引を禁止しているのが、一般的です。
そもそも、金融先物取引業協会の規程においては、同協会に加入する証券会社や金融機関の従業員のFX取引を禁じていることから、FX会社に口座開設をする際に、同協会に加入する証券会社や金融機関の従業員ということが判明した場合、FX会社側から口座開設を拒否されるはずです。
残念ながら、証券会社や金融機関にお勤めのサラリーマンの方は、FXの取引は諦めざるを得ません。
FXが会社にばれないための方法
FXが会社に認められていたとしても、できることならば、FXで得た利益等は、会社に知られたくないという方も多いと思います。
FXをしていることが、会社にばれる原因の大半は、住民税の税額決定通知書によるものです。
サラリーマンであれば、住民税は、会社より支払われる給与から天引きされているのが、一般的で、市町村は、毎年5月31日までに従業員の住民税額を企業に通知することになっています。
この住民税の税額決定通知書には、給与所得だけでなく、その他の所得の金額が記載されているため、企業の住民税担当者が、この通知書を見れば、それぞれの従業員に給与以外の副収入があるかどうか、分かってしまいます。
しかし、確定申告の方法によっては、給与以外の収入を住民税の税額決定通知書に記載しないことができます。
FXの利益を会社に知られないための確定申告の方法
FXにおける利益に対しては、所得税と住民税が課せられ、サラリーマンの場合、1年間に、給与所得以外に20万円を超える利益があった場合、確定申告を行う必要があります。
確定申告書には、「給与・公的年金等に係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択」欄があり、ここで、給与以外の所得に課せられる住民税の納付方法を選択できるようになっています。
この項目で、「給与から差引き」を選択すると、給与所得に課せられる住民税と同じように、給与以外の所得に課せられる住民税についても、給与から天引きされることになり、「自分で納付」を選択すると、給与以外の所得に課せられる住民税のみ、給与所得に課せられる住民税とは別に、自分で納付することになります。
ちなみに、会社が、従業員の住民税を給与から天引きして、従業員の代わりに市町村に納付することを特別徴収といい、従業員が、自ら住民税を市町村に納付することを普通徴収といいます。
FXによる利益を会社に知られるのを避けるためには、「給与から差引き」ではなく、「自分で納付」を選択してください。
「自分で納付」を選択することによって、FXの利益に対する住民税は、振込等によって、自分で納付しなければなりませんが、住民税の税額決定通知書には、給与所得以外の所得が記載されることはありません。
反対に、「給与から差引き」を選択すると、住民税を自分で支払う必要はなくなりますが、住民税の税額決定通知書に給与所得以外の所得が記載されてしまいますので、会社の事務担当者にFXによる利益が知られてしまう可能性があります。
マイナンバーでFXが会社にばれることはない
なお、マイナンバーが原因で、FXをしていることが会社にばれることはありません。
確かに、マイナンバーは、税金の徴収にも利用されていますが、企業は、マイナンバーを利用することは一切できず、あくまでも、従業員のマイナンバーを収集して、源泉徴収票や給与支払報告に記載し、それを税務署や市町村に提出する役割しか担っていません。
そのため、会社がマイナンバーを使って、個人情報を照会すること等は絶対にできない仕組みになっています。
まとめ
- FXは副業にはあたらない
- 副業禁止の会社でも、基本的にはFXは可能
- FXの利益に対する住民税を自分で支払うことで会社に知られることは防げる
基本的に、FXは副業扱いとはならず、副業禁止の会社でも、FXを行うことは可能と考えられます。
ただし、FXが副業にあたらないとは言え、就業期間中にFXの取引をしてしまったり、FXが原因で本業に支障を来たすことがあれば、当然のことながら、懲戒処分の対象ともなり得ますので、節度ある取引を心がけましょう。