FXにおける4つのトレードスタイルとそれぞれの特徴を徹底解説!

FXにおけるトレードのスタイルや手法は、人それぞれ。残念ながら、絶対に勝てる手法というのは、存在しません。プロトレーダーも、初心者の内は、色々と試行錯誤をしながら、自分なりのスタイルを見つけてきたはずです。

ここでは、FXのトレードスタイルに焦点を当てて、主要なトレードスタイルの特徴について、解説します。

FXにおけるトレードスタイルの種類と特徴

FXでは、取引期間の長さによって、トレードスタイルをスキャルピング、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードの4つに分けることができます。

トレードスタイル
  • スキャルピング
  • デイトレード
  • スイングトレード
  • ポジショントレード

これらのトレードスタイルは、取引期間の違いによって生じる異なる特徴を持っています。以下に、それぞれのトレードスタイルの特徴や注意点等について、まとめていますので、自分に合ったトレードスタイルを見つけてみましょう。

スキャルピング

スキャルピングの特徴

スキャルピングは、数秒から数分という超短期的な取引を繰り返すトレードスタイルです。

1回の取引で狙う利益は、数pips程度。少しでも含み益が出たら、利確をしていき、小さな利益を積み重ねていきます。

なお、1回の取引において、想定している利益幅や損失幅が小さいことから、ハイレバレッジの取引が中心となります。

スキャルピングに用いる時間足

スキャルピングでは、1分足や5分足といった短い時間足を使って、売買のタイミングを見定めることになります。

スキャルピングにおける分析法

分析法としては、テクニカル分析が中心で、ファンダメンタルズ分析については、あまり意識する必要はありません。ただ、経済指標の発表時には、大きく値が動くいたり、スプレッドが広がることが考えられますので、経済指標については、敏感になっておく必要があります。

スキャルピングに向いている人

チャートにかじりついて、ただひたすらに売買を繰り返していくことから、集中力と売買のタイミングを逃さない一瞬の判断力が必要になってきます。

もちろん、ただ闇雲に売買をする訳ではなく、しっかりとしたテクニカル分析を行った上で、売買のタイミングを計る必要がありますので、正直なところ、初心者にはハードルが高いでしょう。

また、一喜一憂することなく、機械的に売買を繰り返すメンタルも必要です。

スキャルピングの注意点

スキャルピングの注意点として、まず考えられるのが、売買回数が多くなることによるコストの増加です。

スキャルピングは、1回あたりの利益は小さいながらも、数多くの取引を繰り返すことで、利益を積み上げていくトレードスタイルですので、それだけスプレッドがかさむことになります。

そのため、取引する通貨ペア選びも重要で、スプレッドの広い通貨ペアは、スキャルピングには向きません。米ドル/円やユーロ/米ドルといったスプレッドの狭い通貨ペアで取引を行うようにしましょう。

また、含み損が出た場合の対応についても、注意が必要です。スキャルピングで狙う利益は、数pipsですので、損失は、狙っている利益幅以下に抑えるようにしましょう。

利益幅に比べ、損失幅が大きくなってしまうと、損大利小のトレードになりがちです。思惑とは反対の方向に値が動いた際は、できるだけ早いタイミングで、思い切って損切りをするようにしましょう。諦めも肝心です。

スキャルピングに使うFX会社の選び方

スキャルピングをする際は、スプレッドの狭いFX会社や約定力の高いFX会社を使うようにしましょう。

スプレッドが広いと、ただでさえ小さな利益を食われてしまい、完全にコスト負けしてしまいます。スキャルピングには、スプレッドの広いFX会社は避けるようにしましょう。

また、もうひとつ気を付ける必要があるのが、約定力です。約定力が低いFX会社を使っていると、狙ったタイミングで売買ができなかったり、スリッページが発生して、利益が損失に変わってしまうこともあります。はっきり言って、スキャルピングにおいては、約定力の低いFX会社はお話になりませんので、約定力の高いFX会社を使うようにしてください。

どうしても、分かりやすいスプレッドの幅ばかりに目が行きがちですが、約定力も非常に重要な指標です。スプレッドと約定力という2つの基準からFX会社を選ぶようにしましょう。

デイトレード

デイトレードの特徴

デイトレードは、数分から数時間のスパンで短期的な取引を行うトレードスタイルです。厳密な定義はありませんが、基本的には、日をまたいでポジションを維持することはせず、その日の内に決済して損益を確定させてしまいます

1回の取引あたりの利益幅は、取引する通貨ペアやその日のボラティリティでも変わってきますが、20pips以上を目安にしておくと良いと思います。数分から数時間かけて取引を行いますので、スキャルピングのように数pipsではなく、もう少しまとまった利益を狙っていく必要があります。

デイトレードに用いる時間足

デイトレードでは、5分足、15分足、30分足、1時間足、4時間足、日足といった幅広い時間足を使って、分析を行っていくことになります。

売買のタイミングは、より短い時間足を使って探っていくことになりますが、4時間足や日足といった比較的長い時間足を使って、相場の大きなトレンドをつかんでおく必要があります。FXにおいては、トレンドに従ったトレードを行うのが定石。長い時間足を使って、大きな流れをつかんだ上で、短い時間足から売買のポイントを見つけていきましょう。

デイトレードにおける分析法

デイトレードにおいては、スキャルピング同様、テクニカル分析が中心となります。異なる時間足でテクニカル分析を行い、売買のタイミングを探っていきます。

ただし、相場の大きな流れは、ファンダメンタルズ的な要因によって作られることが多いことから、重要指標を中心にアンテナを張っておくことをおすすめします。また、その日に発表される経済指標については、必ずチェックしておいてください。経済指標発表時は、値が乱高下することが多いため、下手に手を出さない方が、賢明です。経済指標発表のスケジュールは、事前に把握しておくようにしましょう。

デイトレードに向いている人

デイトレードは、昼間は忙しいサラリーマンの方や主婦の方、学生の方等におすすめです。というのも、日本時間の夜間は、ヨーロッパ市場やニューヨーク市場がオープンしていることから、市場参加者が多く、マーケットが最も盛り上がる時間帯です。おいしい時間帯にトレードに臨めますので、効率よく稼ぐことができます。

なお、デイトレードは、基本的に、1日の内に取引を終えてしまいますので、含み損を心配して、神経をすり減らすような必要がありません。保有ポジションの含み損益に一喜一憂することがないので、ある程度、トレードのストレスを抑えることができると思います。

デイトレードの注意点

デイトレードでは、1日の内で限られたチャンスを探って取引を行うことから、初心者の内は、特に、変に焦ったり、ポジションを持ちたい衝動に駆られてしまうことがあります。自分なりのトレードルールがなければ、何の根拠もないトレードを行ってしまって、負けを繰り返すといったことにもなりかねませんので、注意しましょう。

また、当然ではありますが、損切りの徹底も忘れずに。確実に損切りを行っていないと、損大利小のトレードになりやすいので、気を付けましょう。含み損を抱えたときこそ、その日の内に決済してしまうようなルールを決めておくと良いかもしれません。

デイトレードに使うFX会社の選び方

デイトレードもスキャルピング同様、スプレッドと約定力重視で、FX会社を選ぶようにしましょう。

スキャルピングほどではありませんが、売買回数を重ねていけば、スプレッドはかさみますし、約定力が物を言うような際どい取引ポイントも出て来ますので、スプレッドの狭いFX会社や約定力の高いFX会社を使うのが、おすすめです。

反対に、日をまたいでポジションを持つ場面は少なくなりますので、スワップポイントについては、意識する必要はないでしょう。

スイングトレード

スイングトレードの特徴

スイングトレードは、エントリーから決済までを数日から数週間かけて行う中期的なトレードスタイルです。スキャルピングやデイトレードのように短期的な売買を行うのではなく、一定期間ポジションを保有し続けて、利益を伸ばしていきます。比較的大きなトレンドの波に乗って、利益を上げるイメージです。

取引期間が長い分、取引回数が少なくなるため、1回の取引に求める利益の幅は、100pips以上を意識しましょう。また、数日以上保有し続けることになることから、スワップポイントも意識すると、より大きな利益を得ることができます。

スイングトレードに用いる時間足

スイングトレードでは、日足や4時間足といった長めの時間足が活躍します。日足や4時間足を使って、大きなトレンドを確認してから、1時間足以下の短い時間足を使って、ミクロ的に取引のポイントを探りましょう。

取引期間が長くなることから、大きなトレンドを見つけて、それに逆らわないようにするのが、大原則です。

スイングトレードにおける分析法

スイングトレードでは、スキャルピングやデイトレード同様、トレンドや売買のポイントを探るテクニカル分析も重要ですが、それに加え、ファンダメンタルズ分析が有効になってきます。

特に、米雇用統計のような超重要指標は、中長期的な相場のトレンドを作ることがあることから、要注目です。他にも、各国中央銀行の政策金利発表も見逃せません。これらの指標は、これまでの相場の流れをひっくり返すほどの力を持っているため、必ずチェックしておきましょう。

スイングトレードに向いている人

スイングトレードは、小さな利益を積み重ねるのではなく、一度のトレードで大きな利益を狙いたいという方に向いています。また、短期取引のようにチャートの前に張りついておく必要もないので、取引に臨むためのまとまった時間が取れないという方にもピッタリです。

ただ、一定期間ポジションを保有し続けることになるため、どうしても、値動きを気にしてしまいがちです。ポジションの行方が気になって仕方がないという方や少しの値動きでも気にしてしまうという方は、スイングトレードには向いていないかもしれません。ポジションを保有していることがストレスになるようであれば、短期的な取引にシフトする方が良いでしょう。

スイングトレードの注意点

スイングトレードは、トレンドに乗って利益を上げる、いわゆるトレンドフォローのトレードとなりますが、トレンドの転換点には、要注意です。トレンドが変わってしまうと、利益どころか含み損が広がる一方になってしまいますので、損切りだけは徹底するようにしてください。

また、ファンダメンタルズ的要因で、トレンドが転換することも十分考えられますので、経済指標や要人発言、その他のニュースには、敏感になっておきましょう。

スイングトレードに使うFX会社の選び方

スイングトレードでは、スキャルピングやデイトレードとは違い、そこまで、スプレッドの狭さや約定力の高さを気にする必要はありません。

言い換えれば、どのFX会社でも、対応できるのですが、一定期間保有し続けることを考えると、スワップポイントの大きなFX会社が良いでしょう。スワップポイントの大きなFX会社を使うことで、より大きな利益を上げることができます。スイングトレードに使うFX会社選びに迷った際は、スワップポイント重視で、選んでおくと失敗はないと思います。

ポジショントレード

ポジショントレードの特徴

ポジショントレードは、数ヵ月から数年をかけて取引を行う長期的なトレードスタイルです。ポジショントレードの場合、長期的なトレンドに乗って、大きな為替差益を狙う方法もありますが、通貨間の金利差を利用したスワップポイントを狙うことも多いです。

スワップポイントは、ポジションを保有している期間は、ずっと受け取ることができるという点が魅力。スワップポイントは、通貨ペアによって異なりますので、スワップポイントの大きな通貨ペアを取引することで、より効率的に運用することができます。

ポジショントレードに用いる時間足

ポジショントレードでは、月足、週足、日足といった長い時間足を使った分析が有効です。月足や週足を使って、相場のトレンドを確認してから、日足で売買タイミングを探ると良いでしょう。

スイングトレードよりも、長期的なトレンドに乗り、大きな利益を狙っていきましょう。

ポジショントレードにおける分析法

ポジショントレードには、ファンダメンタルズ分析が欠かせません。もちろん、テクニカル分析も有効ですが、相場の長期的な流れは、ファンダメンタルズ的な要因によって作られることが多いため、ファンダメンタルズを無視する訳にはいきません。

特に、政策金利は、長期的な為替の力関係を決定するものですので、要注目です。

ポジショントレードに向いている人

ポジショントレードは、スイングトレード同様、頻繁にチャートをチェックするような時間的な余裕がない方にピッタリですが、スイングトレードに比べると、資産運用的な意味合いが強いです。積極的に取引をするのではなく、長期的に資金を運用したいという方に向いています。

FXを資産運用として活用したいという方向けのトレードスタイルと言えます。

ポジショントレードの注意点

ポジショントレードは、長期的に大きな利益を狙おうとするものですが、値動きの長期的な読みが誤っていれば、大きな損失を被ることになります。場合によっては、損失が大き過ぎて、損切りしたくてもできずに塩漬けとなってしまったりということも考えられます。

また、あまりにレバレッジを高く設定していると、思惑とは反対の方向に値が動いた際に、ロスカットにかかってしまうこともありますので、可能な限り、低レバレッジとなるように、資金に余裕を持っておきましょう。

ポジショントレードに使うFX会社の選び方

ポジショントレードでは、保有期間が長くなるため、為替差益に加え、スワップポイントも大きな利益となってきます。そのため、スワップポイントが高いFX会社を使うようにすると、より大きな利益を狙うことができます。ポジショントレードにおいては、スワップポイント重視でFX会社を選ぶようにしましょう。

反対に、スプレッドやスリッページによるコストは、ノイズと言える程度のものですので、スプレッドの幅や約定力は考えなくても良いでしょう。

トレードスタイルのまとめ

トレードスタイルは、取引期間を軸にすると、取引期間が短い方から、スキャルピング、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードという4つに分けられます。

トレードスタイルは、どれが良いというものではありません。大切なのは、トレーダーのライフスタイルや性格から、自分に合ったトレードスタイルを見つけることです。

初めの内は、稼いでいるトレーダーの真似をしてみることから始めるのも良いですし、試行錯誤しながら、自分なりのスタイルを見つけてみてください。