要人発言が相場を動かす!注目すべき要人と相場分析のポイントを解説!

為替相場は、世界経済に影響を与える重要人物の発言の影響を受けることがあります。

発言の内容によっては、時に、経済指標発表時と同じように、急激な相場変動を見せることがあるため、要人の発言に対しては、常に気を配っておく必要があります。

ということで、このページでは、為替相場を動かす要人発言について、解説します。ファンダメンタルズ分析において、値動きを読み解くうえでの材料のひとつとなりますので、しっかりと押さえておきましょう。

要人発言とは

要人発言とは、世界経済に影響を与える重要人物の発言のことを指しています。

要人の発言は、それぞれの国や地域の経済状況や今後の見通しを表していたり、財政政策や金融政策の方針を示すことがあります。

これらの要人発言は、相場を動かす材料となることから、相場分析においても、重要な要素のひとつとなります。

発言に注目すべき要人

為替相場に影響を与える要人として、その発言に注目しておくべきなのが、以下に挙げる人々です。

  • 首脳
  • 経済閣僚
  • 中央銀行関係者
  • IMF関係者

まず挙げられるのが、大統領や首相といった各国の首脳、それから、財務長官や財務大臣といった経済閣僚です。このような人々は、各国の財政政策を担っていることから、各国通貨の値動きに影響を与える重要なポストにあります。

次に、各国の中央銀行関係者です。日本においては、日銀総裁、アメリカにおいては、FRB(連邦準備制度理事会)議長や理事、ユーロ圏においては、ECB(欧州中央銀行)総裁や理事といった人々が、これに該当します。中央銀行は、各国の金融政策を担っていますので、その関係者の発言が為替相場に与えるインパクトも、相当なものとなります。

また、これら各国の関係者に加え、為替相場の安定等を担っているIMF(国際通貨基金)の専務理事や理事の発言も、為替相場に影響を与えることがあります。

要人発言の注目すべきポイント

それでは、どのような内容の要人発言があった場合に、相場は反応するのでしょうか。

この点については、経済指標とよく似ています。経済指標の場合、市場予想値と異なる結果となると、相場は大きく反応します。

要人発言の場合も、これと同じで、市場の予想を裏切るような内容であったり、市場のコンセンサスと異なる内容の発言があると、市場は、それをサプライズと捉え、相場を動かす要因となります

反対に、市場の予想どおりの内容であったり、市場のコンセンサスに沿った内容の発言の場合、既に、価格には織り込み済みのため、相場が大きく反応することはありません。

要人発言において、注目すべきポイントとしては、相場を動かす材料となるかどうかです。

その発言が、代わり映えしない内容であれば、相場を動かす材量とはなりませんが、目新しい内容であれば、相場を動かす材料となります。

ハト派とタカ派

要人発言が報じられる際に、よく使われるのが、ハト派タカ派という言葉です。

これらは、景気に対し、どのような見方をしているかを表す言葉で、ハト派は、景気に対して慎重で、金融緩和に前向きな志向を持っていることを指します。これに対して、タカ派は、景気に対して強気で、金融引き締めに前向きな志向を持っていることを指します。

  • ハト派…景気に対して慎重で金融緩和に前向き
  • タカ派…景気に対して強気で金融引き締めに前向き

要人発言においては、その内容が、タカ派的かハト派的かに注目してみましょう。

要人からタカ派的な発言が目立てば、近い将来の利上げが期待されますし、ハト派的な発言が目立てば、利下げが期待されます。

また、ハト派的な人間がタカ派的な発言をしたときやタカ派的な人間がハト派的な発言をした場合は、サプライズとして捉えられ、相場を大きく動かす材料になることがありますので、要注意です。

要人発言のタイミング

要人発言の厄介なところは、いつなされるのか、そのタイミングが定まっていない点です。

経済指標については、事前に発表スケジュールが決まっているため、容易にアンテナを張っておくことができるのですが、要人発言の場合、いつどこで重要な発言があるか、予測しにくいのが、難点です。

ただ、全く予測できないかというと、そういう訳でもありません。要人が重要な発言を行うことが多いのは、会議や講演会といったイベントの際で、これらのイベントは、いつ行われるのか、事前に予定されています。

要人が参加するイベントのスケジュールについては、経済指標と同じように、各FX会社等が公開している経済指標カレンダー等に掲載されていますので、経済指標の発表スケジュールとともに、必ず、押さえておくようにしましょう。

要人発言の際の取引における注意点

基本的に、要人発言が予定されているタイミングでの取引は、避けるのが定石です。

経済指標の発表時と同じように、どのような発言が飛び出すか分からない状況で取引を行うのは、非常にリスキー。場合によっては、パニック相場となることもあるため、要人の発言が、事前に予定されているのであれば、そのタイミングでトレードに臨むのは避け、今後の相場を分析することに徹しましょう。

また、事前に予定されていない要人発言による相場変動に対しても、いち早く対応できるよう、トレード中は、常に最新情報を手に入れるようにしましょう。

要人発言の確認方法

要人発言に関する情報は、各FX会社の取引ツールを通して、リアルタイムに得ることができます。

要人発言があった場合、速報として、市場に流れることになりますが、FX会社の取引ツールでは、チャートとともに、市場におけるニュースや速報も随時更新されていますので、トレード中に、最新の情報を得るのに適しています。

まとめ

  • 要人発言は、世界経済に影響を与える重要人物の発言のこと
  • 要人発言は、今後の景気の見通しを表したり、財政政策や金融政策の方針を示すことがあるため、相場を動かす材料となる
  • サプライズ的な内容の場合、相場の急変を引き起こすことがある
  • 要人発言が予定されているタイミングでの取引は、避けるのが賢明

要人発言は、経済指標同様、相場を大きく動かす重要な材料となることがあります。

特に、サプライズ的な内容には、要注意。場合によっては、パニック相場とも言える状況を招くこともあるため、取引の際は、常に、市場の最新情報を得られるよう、アンテナを張り巡らせておきましょう。