FXにおけるボラティリティとは|効率的に利益を得るための考え方

ボラティリティは、価格の変動率のことで、リスクやリターンにも影響を与えるものです。

このページでは、FXにおけるボラティリティの基礎知識について、分かりやすく解説します。

ボラティリティは、通貨ペアや時間帯によっても異なり、これらとボラティリティの関連性を知っておくことで、利益を得やすい通貨ペアや時間帯も見えてきますので、しっかりと押さえておきましょう。

ボラティリティとは

ボラティリティとは、価格の変動率のことです。

価格の変動率が高いことをボラティリティが大きい、価格の変動率が低いことをボラティリティが小さいと表現します。

ボラティリティという言葉を値動きに置き換えると、より分かりやすいかもしれません。ボラティリティが大きいとは、値動きが大きいこと、ボラティリティが小さいとは、値動きが小さいことを意味します。

  • ボラティリティが大きい=価格の変動率が高い(値動きが大きい)
  • ボラティリティが小さい=価格の変動率が低い(値動きが小さい)

では、実際のチャート上で、ボラティリティが大きい相場とボラティリティが小さい相場を見てみましょう。

ボラティリティ

このチャートの左側のオレンジの枠で囲んだ部分は、比較的、値動きが小さくなっています。つまり、ボラティリティの小さい相場です。一方、チャート右側の緑の枠で囲んだ部分は、オレンジの枠で囲んだ部分よりも、明らかに、値動きが大きくなっていて、ボラティリティが大きくなっていることが分かります。

ボラティリティとリスクとリターン

ボラティリティは、リスクとリターンに深い関係があります。

FXは、主に、為替変動を利用して利益を得る投資ですので、為替レートが動かなければ、利益を得ることができません。値動きが大きいほど、リスクは大きくなりますが、期待できるリターンも大きくなり、値動きが小さいほど、リスクは小さくなりますが、期待できるリターンも小さくなります。

つまり、ボラティリティが大きいほど、ハイリスクハイリターンとなり、ボラティリティが小さいほど、ローリスクローリターンであることを意味しています。

  • ボラティリティ大…ハイリスクハイリターン
  • ボラティリティ小…ローリスクローリターン

ボラティリティと通貨ペア

ボラティリティは、それぞれの通貨ペアによって異なり、ボラティリティが大きい通貨ペアもあれば、ボラティリティが小さい通貨ペアもあります。

前述したように、ボラティリティは、リスクとリターンに影響を与えることから、取引する通貨ペアを選ぶ際には、各通貨ペアのボラティリティを意識することが大切です。

大きなリターンを得たいのであれば、ボラティリティの大きい通貨ペアを、リスクを抑えたいのであれば、ボラティリティの小さい通貨ペアを選ぶようにしましょう。

ボラティリティが大きい通貨

各通貨におけるボラティリティは、その時々によって異なりますが、比較的、ボラティリティが大きい傾向にあるのが、以下の通貨です。

ボラティリティが大きい通貨
  • ポンド
  • ユーロ
  • 豪ドル

これらの通貨は、ボラティリティが大きいため、大きな利益を得られるチャンスも多くなります。

特に、ポンドは、殺人通貨や悪魔の通貨とも呼ばれていて、値動きの激しさが特徴です。期待できるリターンが大きい一方、リスクも高くなるため、熟練者向けの通貨で、初心者が安易に手を出すのは、おすすめできません。

また、南アフリカランドやトルコリラといった新興国通貨も、ボラティリティが高い傾向にあります。ただし、新興国通貨は、取引量が小いため、価格が乱高下しやすいため、注意が必要です。

ボラティリティが小さい通貨

ボラティリティが小さい通貨としては、円やスイスフランが挙げられます。

ボラティリティが小さい通貨
  • スイスフラン

安全通貨に分類されるこれらの通貨は、値動きも穏やかなものになる傾向が強く、比較的、リスクの小さな通貨と言えます。

ボラティリティと時間帯

また、ボラティリティは、時間帯によっても異なります。

外国為替市場は、24時間、世界中のどこかでオープンしていますが、市場参加者が多い時間帯は、取引が活発になるため、ボラティリティも大きくなります。

ボラティリティが大きい時間帯

外国為替市場では、ヨーロッパやアメリカの市場がオープンしている時間帯に最も取引量が多くなり、ボラティリティも大きくなります。

ボラティリティが大きい時間帯
  • ヨーロッパ時間
  • ニューヨーク時間

特に、ロンドン市場とニューヨーク市場がともにオープンしている日本時間21:00頃から4:00頃までの時間帯は、1日のうちで、相場が最も盛り上がる時間帯となります。

中でも、日本時間の1:00(夏時間では、0:00)は、ロンドンフィキシングと呼ばれるロンドン市場における仲値が公表される時間に該当し、この時間が近くなると、取引がより盛んになります。

ボラティリティが小さい時間帯

一方、ヨーロッパ勢やアメリカ勢が市場に参加していないオセアニア時間や東京時間は、ボラティリティが小さくなる傾向にあります。

ボラティリティが小さい時間帯
  • オセアニア時間
  • 東京時間

ニューヨーク時間のクローズが近い日本時間4:00頃からヨーロッパ勢が参加する15時頃までは、取引量が小さく、静かな相場となることも珍しくありません。

ボラティリティとリクイディティ

リクイディティとは、市場における流動性のことです。

市場の流動性とは、シンプルに言えば、取引量の大きさを指していて、取引量が大きく、いつでも希望の価格で取引できることを流動性がある、または、リクイディティあると表現し、取引量が小さく、希望の価格で取引することが難しいことを流動性がない、または、リクイディティがないと表現します。

ボラティリティとリクイディティには、関連性があり、リクイディティがある相場は、ボラティリティが大きくなり、リクイディティがない相場は、ボラティリティが小さくなる傾向にあります。

ただし、リクイディティが極端に低いと、価格が乱高下しやすくなり、その結果、ボラティリティが大きくなることもあります。

新興国通貨のように取引量が小さい通貨やオセアニア時間のように取引量が小さい時間帯は、リクイディティが低下するため、値動きが荒くなりやすいため、注意が必要です。

まとめ

  • ボラティリティは価格の変動率のこと
  • ボラティリティは、大きいほどハイリスクハイリターン、小さいほどローリスクローリターンになる
  • ボラティリティは通貨ペアによって異なる
  • ボラティリティは時間帯によって異なる
  • リクイディティは市場流動性のこと
  • リクイディティがないと、相場が乱高下しやすくなる

ボラティリティは、リスクとリターンに影響を与えることから、損益を左右する要素のひとつです。

ボラティリティが大きいと、効率的に利益を得ることができますが、あまりに大きくなり過ぎると、相場に振り回されてしまって、リスクが極端に大きくなってしまう危険性もあります。特に、リクイディティがない相場は、価格が乱高下しやすくなっていますので、要注意です。

取引の際には、ボラティリティとリクイディティを意識することで、適切な判断ができるようになるはずです。